1123日、南座で「OSK レビユー in kyoto」を見てきました。
私は大学卒業後17年間、日本劇場で働いていました。
1年の半分は「春の踊り」「夏の踊り」
「秋の踊り」というレビューでしたので
今でもレビューは大好きです。

OSKは今から14年位前に一度解散し、
その後有志が存続を訴えて、懸命に活動を続けてきました。
レビューの灯を消してはならないと制作者、出演者が
厳しい状況の中で頑張っている姿は痛々しいほどでした。

数年前、松竹が本格的に手を差し伸べた時、私は感激したものです。
35
年も前に日劇ダンシングチーム(SKD)が解散した時、
私も制作者の一人として関わっていながら、
解散を阻止できなかったからです。
その点、松竹が手を差し伸べたことは、さすがというほかありません。

一度は興行的に難しいといわれたレビューを
復活させようとしたことは、英断だったに違いありません。
実際、南座と松竹座でOSK公演が再開された時には、
出演者も少なく、レビューの華やかさに欠ける舞台でした。
やはり、もうレビューは無理なのかなと思ったものです。
数年前、日劇で一緒だった真島茂樹さんが振付をした時も見ていますが、
精一杯やっているという感じでした。

今回も応援するくらいの気持ちで行ったのですが、
見てびっくり! 
幕開きの華やかさから大きく違っていました。
出演者も増え、舞台装置や衣装も豪華で、
南座がレビュー最盛期の活気に満ちていました。
新トップスター、「高世麻央 お披露目公演」と
うたっていることもあり、本気さが伝わってきたのです。
構成演出、振付も見事でした。

変化とテンポといったものが計算されていて、
またたく間に2時間半が過ぎました。
新トップスターの奮闘振りも目立ちましたが、
出演者全員のレベルの高さと笑顔が素晴らしかったです。
ヘッドマイクの普及のせいもありますが、
全員が力一杯歌っている姿も、隔世の感がありました。
昔は「歌うのが苦手だから、ダンサーになったんで、歌うのはどうも」
という出演者もいたのです。

とにかく、予想以上にハイ・レベルなレビュー公演でした。
これなら若い人も引き付けられるし、
昔からのレビュー・ ファンも満足すると思いました。
この公演は1124日迄ですが、
来春には松竹座で「春の踊り」を 開催するそうです。
昔、レビューの仕事に関わっていたものとして、
うれしくなるような舞台だったことを記しておきます。
橘市郎