数日前の新聞に、北陸新幹線の敦賀から先のルートについて
揉めているとの記事を見ました。
ひとつは湖西線を利用した敦賀~米原~京都ルート、
もうひとつは敦賀~小浜~京都ルートだそうです。
いずれにしても京都に停まるようです。
経済効果という点で喜んでいる方たちもいる一方、
何で京都を通らなければいけないのかと
思う人たちもいるのではないでしょうか?

私はどちらかといえば後者の部類です。
経済優先、経済優先といって突っ走っている今の政権からすれば、
後者の考え方は不思議な考え方かもしれません。
でも本当に、それが京都にとっていいことなのかどうかは、
しっかりと考えないといけないと思います。

私は以前、京都新聞の「現代のことば」というコラムに、
60年住んでいた東京では、日本橋の上に高速道路を通してしまったが、
京都では哲学の道の上に高速道路を通すようなことはないと思う」
というようなことを書きました。
京都には自然を大切にして、共生していく風土があります。
歴史的な文化財を守っていく伝統があります。
経済効果だけでは物の価値が計れないと思っている人達が
京都の良さを継承してきました。

大阪には東京に負けじと高層ビルがどんどん建っていくのに、
京都には高層ビルがありません。
新幹線の便利さは計り知れないものがあり、
私自身、京都~東京の往復に度々利用しています。
でもこれ以上京都に新幹線が乗り入れてくるのは反対です。
それでなくとも宿泊施設が足りません。
気軽にやって来られる観光客のために
ホテルを増やすためには、高層ビルもやむを得ない。
大勢の観光客を捌くには木を切り倒し
道路を広げるしかないといった事態が必ず起こってきます。

京都は、町家や、由緒ある寺社仏閣が立ち並ぶ
古風な景観こそを大切にしなければいけません。
古くから伝わるお祭りにしても
経済優先だけで割り切れるものではないのです。
これ以上新幹線が乗り込んで来ることを
喜んでいいものかどうかをじっくり考えましょう。

お金が回るからだけで、わくわくしていると
原発再稼動の道筋と酷似してきてしまいます。
多少不便でも、何が一番大切かを考えることは、人間の幸福とは?
を考えることと同じなのでしょうね。

(達人の館 代表 橘市郎)