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2月3日、テノールの村上敏明さんが新聞取材のため、
京都を訪れてくださいました。
月末に東京文化会館でオペラ『トスカ』の主演を演じたばかりなのに、
11時に京都に着いてピアノ伴奏の福田和子さんと音合わせ。
13時に終わると、そのまま京都新聞社へというスケジュールでしたが、
疲れた顔ひとつせずインタビューに応じてくれました。

村上さんのご両親は共に音楽の先生をされていたため、
小さい時から音楽には触れていたようです。
6歳上のお兄さんも後に国立音楽大学に入学されているので、
文字通り音楽一家だったようですね。
でも、母校、日野高校の先輩に忌野清志郎がいたので、
もっぱら彼に憧れていたそうです。
三浦友和も高校の先輩、といいますから、
日野高校は芸能界に大物を送り出していたんですね。

そんな村上さんがクラシックに目覚めたきっかけは、
レコードで聴いたマリオ・デル・モナコの歌声でした。
とにかくかっこいい!
こんなテノールになれたら男冥利に尽きると思ったそうです。
最初に感動したテノール歌手がデル・モナコであったことが、
後の村上さんにとってどれだけ幸いしたか知れません。

国立音大を卒業後、藤原歌劇団オペラ研修所で研鑽。
素質を買われてイタリア留学。
ボローニャで付いた日本人とイタリア人の先生が二人とも素晴らしい人で、
村上さんとの相性も抜群だったこともラッキーだったようです。


村上さんが今でも目標にしている3人のアーチストは、

テノールのデル・モナ コ、ジャコミーニ、

そして忌野清志郎だそうです。

京都民報の取材は喫茶店で行われたのですが、

熱心な記者さんの質問に、ソット・ヴォーチェで

歌声を聴かせてくれるなど、実に気さくな方でした。


「リサイタルというと硬い雰囲気がありますが、

1部ではトークを入れながら、楽しく進めたいと思います。

2部はおしゃべり無しで、オペラ・アリアを中心に

じっくり聴いていただきたいです」
とのこと。

1年に100日以上、本番をこなしている村上さんですが、
「先日、家内(砂川 涼子さん)が
秋川雅史さんと舞台でご一緒したのですが、
自分をどう見せるかという点で勉強になりました」と
芸能界で活躍している人に対しても謙虚な目を向けています。
「布施明さんなんか、
ぜひオペラのアリアを歌って欲しいですね」ともらすあたり、
「自分はクラッシクの世界のオペラ歌手です。
あの人たちとは 違うのです」と
偉ぶるタイプの人でないことははっきりしています。

「生の声を武器にした、テノール歌手としての歌にはなりますが、
いいものはジャンルにこだわらず何でも歌って行きたいです」。
イタリアのベルカント唱法を象徴するような明るさも村上さんの魅力です。
私は10年も前に、初めてお会いした時、村上さんは
先代の中村勘三郎さんに似ていると思ったのですが、
坂田藤十郎さんにも歌舞伎役者の顔をしていると言われたそうですよ。

とにかく2月26日、実際に見て、聴いて
村上敏明さんの魅力を確かめていただきたいと思っています。
お待ちしています!
(達人の館 プロデューサー橘市郎)


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