26日、無事「テノール 村上敏明リサイタル」が終了しました。
当日は寒いせいもあって、残念ながら満席とはいきませんでした。
でも、村上さんが1曲目の『帰れソレントへ』を歌い終えた途端、
客席から「ブラボー」の声。
それに呼応するように万雷の拍手が巻き起こり
会場は一気に盛り上がりました。
「これ は凄い!」といった驚きを表現するような
拍手が何時までも続いたのです。

村上さんはそれをさえぎるように挨拶した後、
イタリア民謡について話を始めたのですが、
イタリアの都市の位置関係を右足を上げ、自分の靴を示しながら説明。
かなり長い間片足で立ちながら、
「今日はかかとが高めの靴を履いてきました」などと言って笑いを誘います。
すっかりお客様の心を掴むと、
後は張りのある美声で聴き慣れたイタリア民謡を披露。
迫力ある高音にお客様は酔いしれました。

部の終わりは、リストの歌曲『ペトラルカのつのソネット』。
ピアノ曲では馴染みのリストですが、
彼の歌曲はあまり歌われませんね。
高音が続くこの難曲は、
おそらく村上さん以外には歌えないのではと思いました。
それにしても、大変美しい曲でした。

部は前半は日本の歌曲、後半がオペラのアリアでしたが、
オペラのアリアではテノール殺しといわれる
の高音をらくらくと出して、お客様を興奮させました。
極め付きのアリア『誰も寝てはならぬ』が最後の曲でしたが、
まるで大劇場の歓声を聴くようなざわめきに鳥肌が立ちました。
この時点で20時半、つまり開演から時間が経っていましたが、
村上さんはアンコールに応えて、曲も歌ってくれました。

こんなにステージと客席が一体となったリサイタルを見たのは、
マリ・デル・モナコのリサイタル以来と言っていいほどでした。
これで満席でなかったのは、
プロデューサーの力不足の何物でもありません。
京都のお客様は、自分の目で、
自分の耳で確かめないとなかなか来てくれないので、
村上さんのリサイタルは必ずもう一度やろうと思っています。
私にとってはリベンジとなりますので、
感動されたお客様は次回もお誘い合わせの上、
ご来場くださいますようお願い申し上げます。

「間違いなく日本一のテノール」
「村上さんの温かい人柄が滲み出たステージでした」
「イタリア人のテノールと錯覚する声量と美声でした」
「観客を喜ばせようと全力で歌われる姿に涙が出そうでした」。
こんなメッセージが続々と寄せられましたことに
感謝するとともに、村上さんの熱唱に心より敬意を表したいと思います。
ありがとうございました。
(達人の館 プロデューサー橘市郎)