連休を利用して、映画「家族はつらいよ」を見てきました。
「男はつらいよ」「釣 りバカ日誌」のファン、
いや山田洋次監督のファンとしては見ないではいられなかったのです。
SF風の現実離れした映画や暴力場面が売り物の映画、
或いはファンタジックなアニメが溢れている中で、
日常のありふれた生活を描きながら、
人情や怒りを涙と笑いで包んでくれる山田作品は貴重な存在です。

この映画は、私と同世代の男性の悲哀を見事に描いていました。
家族のために働き続け、
退職後はささやかな楽しみに明け暮れていた頑固な老人が
突然老妻から離婚届を突きつけられる。
まさかと、たかをくくっていた男が、
だんだんと妻の本気に気付いて行く過程が
面白おかしく描かれていきます。

主演の橋爪功が家長として突っ張る頑固な老人を見事に演じ、
好きだった夫にだんだんと減滅を感じてきた老妻を、
吉行和子が静かに演じます。
長男夫婦の西村雅彦、夏川結衣。長女夫婦の中嶋朋子、林家正蔵。
次男の妻夫木聡とその恋人蒼井優。飲み屋のおかみ風吹ジュン。
探偵役の小林稔侍。医師役の笑福亭鶴瓶らが
実に生き生きとリアルにその辺にいる庶民を演じていました。

最後に、全くの他人でありながら複雑な人生経験をしている
蒼井優の一言が頑固な老人を素直にさせる結末は、
日本人っていいなあ、人の心に触れるって大切なんだなあと思わせます。
ここのあたりが山田洋次監督の世界なんですね。
見終わった後ほのぼのとした気持ちで映画館を出ましたが、
こういった映画は何時まで見られるんだろうという不安もありました。
私自身は、この日から脱ぎ捨てた衣類は少なくとも、
裏返しのまま洗濯機に入れないようにしようと決心したのでした。

5月21日の「江藤ゆう子 昭和を歌う-番外編」のチケットは
14時の回完売。
17時の回は残り、9枚となりました。
補助席は、各回6席は可能です。

お申し込みは、
達人の館   075-708-8930(電話)
       075-708-8934(ファックス)

 (
達人の館 プロデューサー 橘市郎)