今、ヨーロッパの各国が
難民を受け入れるか拒否するかで揺れています。
アフリカで内戦をはじめとする戦争が今ほど激化する前は、
どの国も難民を当然のように受け入れていました。
人道的にそうするのが当たり前だったように思います。
それが今や国の行方を左右する大問題になっています。
余りにもその数が多いからです。
受け入れるべきか、受け入れないべきかは
私などが、遠くから軽々しく言えることではありません。
考えるべきは、難民の皆さんが、
何故こうも増えたのかということです。

この人々は、間違いなく戦争によって、町を破壊され、
命を奪われる恐怖から逃れようとして
難民にならざるを得なかったのです。
如何に貧しくとも故郷が平和であったなら、
その場で平安に暮らしていたことでしょう。
難民と呼ばれる人々は、ほとんどが庶民であり、
戦争に巻き込まれた被害者なのです。

「戦争さえなければ!」と
不条理に怒りを覚えているに違いありません。
やはり元凶は戦争です。
如何に「正義の戦い」と言っても
戦争がもたらす不幸は庶民に降りかかってきます。
どうして、こんなことが繰り返され、
停戦が実現しないのでしょうか。
歴史的な因縁、権力者の思惑、各国の立場、
いろいろ複雑なことが絡んでいるとはいえ、
素直に現実を考えた時、私は子供のように思いました。
「武器、弾薬をアフリカに送りこまないことだ」と。

アフリカで日々戦いをしている兵士たちが
武器や、弾薬を作っているはずがないとすれば、
これらは外部から送り込まれているはずです。
各国が武器輸出禁止を実行すれば、戦争は治まらないまでも、
日本の戦国時代の戦いみたいにならざるを得ません。

日本はかつて、専守防衛を唱え、
武器弾薬を輸出しないと公言していました。
ぜひ、世界から戦争を無くす旗振りを日本がして欲しいと思います。
「攻撃は最大の防御なり」と言う言葉は、
現代では、ルールのあるスポーツの世界でのことです。
「こちらからは、絶対先に攻撃しない」
と宣言することが最大の防御だと私は思います。

どうか、儲かるからといって、
戦争が行われている地に武器弾薬を送り込むという、
悪魔のような行為はしないでください。
難民をこれ以上増やさないためには、
戦争をやめさせるという根源的なことを実現させなければなりません。
文字通り「武器よさらば!」です。

(達人の館 代表 橘市郎)