1129日、法然院で「ドロミズ」の作家
マリオ・アンドレア・ヴァッターニさんを囲む会がありました。
ヴァッターニさんは前イタリア総領事で、
日本に滞在した4年間の印象を小説にしたということです。
作家としては最初の作品ですが、
イタリア人が見た日本の魅力や
不思議な日本人の感性を描いたものでした。

実はこの作品の日本語訳を朗読したのが
春秋座オペラでカルメンを演じる藤井泰子さんだったのです。
「こういう会がありますがいらっしゃいますか?」と
声をかけられてスケジュールを見ると、
1週間でこの日だけが空いていました。
法然院の室内には入ったことがないし、
女優としても活躍している藤井さんが
どんな朗読をするのかも興味があったので、
満席の会に特別に入れていただきました。

法然上人の像の前に藤井さん、翻訳者、講師の方々が
居並ぶ風景はめったに見られないものでした。
藤井さんの朗読は声のトーンを押さえ、
作品に描かれた日本の風景を明瞭に伝えてくれました。
声そのものがいいので心地よく、
独特の世界を作っていたのはさすがです。

会終了後「総領事のお宅で、パーティーがありますので、
同行しましょう。あらかじめ了承してもらっていますので」と
お誘いを受けました。
ずうずしいとは思いつつも
藤井さんのご好意に甘えることにしました。
錚々たる方が50人くらい集まっての交流会。
それでなくともパーティーが苦手の私は隅の方にいると、
藤井さんが、ロンバルディ総領事や
イタリア文化会館館長のフォッサーティさん、
作家のヴァッターニさんに紹介してくれました。
名刺交換する間も、いろいろフォローしてくれたのです。
藤井さんのイタリアにおける存在が
如何に大きいかを知らされました。

「カルメン」がイタリア・オペラだったら、
この人たちに絶大な応援をしてもらえただろうなと
いささか残念な気がしました。
でも、その「カルメン」の告知を会の最初にしてくれたのです。
どこへでも出かけて行く大切さを教えてくれた1日でした。
藤井泰子さん、本当にありがとうございました。
(達人の館 代表 橘市郎)


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