16日のヴェルディ・サロン・ライヴはお箏の市ノ瀬佳子さんの登場で、
部はご本人のオリジナル曲と宮城道雄さんの曲をソロで演奏。
部はフルート奏者の奥田裕美さんとの協演でした。
お箏だけの演奏は単調になるかもしれないと少し心配でしたが、
市ノ瀬さんのきりっとした演奏はまるで洋楽を聴いているような緊迫感があり、
さすが音大出身のプレイヤーという感じがしました。

部は、お箏とフルートの組み合わせがどうなるか興味津津でしたが、
フルートが尺八の役割をすると考えれば、
うまく行かないはずが無いと思っていました。
奥田さんはすでにヴェルディのライヴで実績を上げている方なので
大いに期待して聴いたのですが、結果は想像以上。
「春の海」はまるでドビュシーを聴いているような感じでした。
「シェルヴールの雨傘」にしても、
お箏の音がハープのように聴こえたりしてとても不思議でした。
最後に演奏された武満徹の「小さな空」などは
歌曲として作曲された作品ですが、イメージが広がり、
武満さんに一度聴かせたかったと思ったほどです。

よく、西洋音楽と和楽との違いが問題になりますが、
今日の演奏はその融合に対する、ひとつのヒントになると思いました。
お二人のジョイントはまたぜひ実現したいと思っています。
少し時間をおいて、新しいレパートリーを増やした後、
また帰って来て欲しいものです。
市ノ瀬さん、奥田さんありがとうございました。

さて、23日は指揮者としてもピアニストとしても活躍されている
坂口航大さんのピアノと京都市立芸術大学の3回生のカルテット
(オーボエ、ホルン、ファゴット、クラリネット)の競演です。
これも12日(日)に実現したジョイントですが、
ヶ月ぶりに新たなレパートリーを聴かせてくれます。
学生とはいえ、大変レベルの高い四重奏団と、
感性豊かな坂口さんのピアノを堪能してください。
お待ちしています。

(達人の館 代表・プロデューサー 橘市郎)