2324日の両日に行われたオペラ『魔笛』が無事終了いたしました。
台風がやって来るかもしれない。
ミサイルが飛んでくるかもしれないという緊迫した
月中旬から後半にかけての日程でしたが、
幸運にも影響を受けずに開催されました。
前の週でしたら少なからず台風の影響を受けたことでしょうし、
本当についていたと思います。
その上、今回は複雑なエレベーションのある舞台装置、
しかも回り舞台が頻繁に使われ、
スッポンの上げ下げも何度か行われるという危険極まりない演出でした。

出演者もスタッフもさぞや緊張したと思います。
演出の三浦安浩さんや舞台監督の青木一雄さんが何度も注意を喚起し、
出演者も慎重に対処したため無事終了することが出来ました。
お客様もスリリングな舞台を興味深く見ていただけたと思いますが、
舞台監督の経験のある私はいつも緊張しておりました。
でも、何の事故も無く、無事終えられたのはみんなが約束事をきちんと守り、
真摯な気持ちで舞台を努めたからだと思っています。
別に危険な冒険をしたわけではありませんが、
少しでも甘い態度で臨むと往々にして事故が起こるものなのです。

ヶ月に渡る稽古が続きましたが、
全員が元気に役割を果たしてくれたことに感謝したいと思います。
演出の三浦さんはいつも物静かに自分の意図をスタッフとキャストに伝えていました。
指揮の大勝秀也さんもユーモアを忘れず厳しい稽古をしてくれました。
公演監督の松山郁雄さんに至っては、出演も兼ね
キャストとのコミュニケーションを実に巧みに取っていたと思います。

全ての参加者が気持ち良く、
作品作りに取り組んだ成果が舞台全体に溢れていたように思います。
作品の評価はあくまでもお客様が判断してくださることですが、
ひとつの目標に向かって全員が協力し合って作り上げた課程については
公演プロデューサーとして高く評価し、心から感謝しております。
お客様の感想についてはまた改めてご紹介いたしますが、
ここでは回行われた「春秋座オペラ」の中で
今回の『魔笛』が最も多いお客様に来ていただいたことをご報告し、
来年に行われる『蝶々夫人』に向かって、
さらにいい作品作りに取り掛かりたいと思います。
先ずはご協力いただいた方々に心から感謝申し上げます。
ありがとうございました。

(一般社団法人 達人の舘 代表/『魔笛』公演プロデユーサー 橘市郎)