1126日、私は朝時に起きて東京に行きました。
20日にも来年の春秋座オペラの打ち合わせで
早朝、東京に向かったばかりです。
でも、今回は競馬のジャパンカップ観戦のためなので
純粋な仕事ではありません。

かつて競馬のエッセイ賞をいただいたご褒美として、
年4回ビッグレースにご招待いただいているのです。
去年までは、ほぼ皆勤しておりましたが
今年は日曜日本番の仕事を抱えたため、初めての参加でした。
あれほど競馬に取り付かれていた私が、
以前ほど燃えてこないのは仕事の関係で
競馬と疎遠になったからなのでしょうか? 

小学校や中学校時代、淡い恋心を抱いていた女の子への想いが、
卒業後自然に消えていったように、
競馬への興味がこのまま消えていくのかと思うと
寂しいものがありました。

今回はたまたまライヴがお休みだったので、
自分の気持ちを確かめる意味合いもありました。
車中努めて睡眠時間を取り戻そうとしたのですが
興奮状態で駄目でした。
といって競馬新聞を見て検討する意欲もないのです。
久しく馬券検討をしていないせいなのでしょうか?
中央線、京王線と乗り継いで
府中競馬場に着いたのは12時ちょっと前でした。

久しぶりに再会した同室の招待者と挨拶を交わしましたが、
いつも一番乗りを争っていた演芸評論家の矢野誠一さんが
欠席されていたのは残念でした。
競馬会の担当者にも矢野さんと私がレース前に来ないので
拍子抜けしたと冗談を言われました。

楽しみにしていたバルコニーからの観戦でしたが、
寒いのと視力が落ちたせいか
走っている馬のゼッケン番号が読めないので、
すぐ室内に戻り、テレビ観戦に変えました。

折角臨場感溢れる生観戦を楽しみにやってきたのに
何と言うことでしょう。
こんなことでは馬券も当たらないぞと思いましたが
案の定ジャパンカップは、期待したサトノクラウンが10着と惨敗。
でも、9レースの3連単を的中させたので、
この日の収支はトントンでした。
今日は冴えないご報告でしたが、
それでも競馬は最高にドラマチックで美しい競技だと思いました。

生産者、育成者、管理者、オーナー、騎手、開催者、ファン、
それに何よりも走るために極限までに仕上げられた馬。
競馬場のコースとスタンド。長い歴史の積み重ね。
エンターテインメントに携わるものが学ばねばならぬ
要素がびっしり詰まっています。
決して単なるギャンブルではありません。
今回は競馬の壮大さを改めて、冷静に感じさせてもらいました。

(達人の舘 代表 橘市郎)