世の中、証人喚問や北朝鮮幹部の中国訪問で騒然としていますが、
敢えてここでは文化的な話題をご報告しようと思います。
23(金)、私は久しぶりに文楽を見に行きました。
「桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)」は
帯屋の主人長右衛門が、わが子のように年の離れたお半と
男女の関係になり、子供まで宿してしまうというショッキングなお話。
しかもお互いに惹かれあい、
最終的には義理人情との板ばさみになり、心中に追い込まれます。

この悲劇の結末が桂川で展開されるので、
比較的近いところに住む私としては、
臨場感を覚えずにはいられませんでした。
この時代の話が生々しく感じられたのも
京都に移り住んだからこそだと思いました。

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3月24(土)は散歩代わりに、
徒歩20分位の所にある竹林公園に行ってきました。
引越しした当初より、気にはなっていたのですが、
地元民の憩いの場所くらいに思っていたので、
バスに乗ったままいつも素通りしていたのです。

気軽に公園に入っていくと少し上ったところに
管理事務所のような建物がありました。
受付があったので記帳していると
係りの方が話しかけてくれて、竹の魅力を語り始めました。

いろいろな竹の標本を示しながら抜群の解説を披露。
そのまま公園1周の出発点に案内してくれたのです。
公園内は広く、起伏に富んだ地形に
無数の種類の竹が植えられていました。
歴史的な石橋、無数の石仏もあり、見所も満載。
公園内は結構な広さで1周するとかなりの距離がありました。
受付のあった建物に戻ると広い和室や休憩室もあり驚かされました。
これで無料なのです。またお奨めのスポットを発見したと思います。

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3月26(月)は朝5時に起きて、東京へ日帰りで出かけました。
高校の1年後輩にあたる星出豊さんの
「指揮者生活50周年記念祝賀会」に出席するためです。
彼のことは前に書いたことがありますが、
60年来の友人で、彼が書いた「ジャコモ・プッチーニ」という本を

「オペラの道へ誘ってくれた友人に感謝しつつ 星出豊」

とサインをいれて贈ってくれた人なのです。
指揮者としては決して名門とは言えない音楽大学の出身でありながら、
努力と才能で一流となった彼は素晴らしい実績を残しています。
いずれ彼のことはまた書きますが、
オペラの指揮をさせたら日本一と思っています。
当日は200人近い人がお祝いに駆けつける盛大な会でした。
彼は大勢の若手指揮者を育て、
この日の会も「星出会」と言われる若手指揮者がセッティングしたものでした。
彼は良き教育者でもあったのです。
突然指名されたせいもあり、
満足なスピーチが出来なかったのが悔やまれます。
彼の米寿のお祝いの時にはリベンジするつもりです。

(一般社団法人 達人の館   代表 橘市郎)