先月の最終週には訃報が相次ぎました。
8月23日には、日劇制作室の同期である
大貫勇次さんが亡くなったとのお電話を元同僚からいただきました。
大貫さんは日劇のプロデユーサーから
東京ディズニーランドのエンターテインメント部長、
シアターアップル支配人などを歴任された方で、
大変面倒見のいい仲間でした。
日劇制作室の集まりも彼が万年幹事の役割を担ってくれていました。
今年の初めに年賀状をいただいた時には、
新婚早々で、とてもお元気だったのです。
日劇時代からカルシウムの錠剤を飲んでいたりして健康には注意深かったし、
髪の毛も70歳過ぎてなお黒々ふさふさで
仲間をうらやましがらせていたものです。
その大貫さんが急に亡くなるなんて信じられません。
癌だったそうですが、発病するまで誰も想像していませんでした。
東京に住む先輩や後輩たちが
大貫さんを最後まで見守ってくれたのが、せめてもの救いでした。
京都でリハビリ中で、何も出来なかったのを申し訳なく思う毎日です。
大貫さん、どうぞ安らかにお眠りください。
合掌。
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もうひとつの訃報は、元宝塚のスターで
筑前琵琶の名手・上原まりさんのものでした。
8月29日京都新聞の記者、斎藤英之さんからお電話をいただき、
逆にその真偽を訊かれたのです。
今年の3月、まりさんの筑前琵琶のコンサートを企画し、
ご本人と共に取材をしていただいたからです。
コンサートは病み上がりでありながら、迫力に満ち、力のこもった演奏でした。
私は京都造形芸術大学の授業でもお世話になっている
まりさんが復活されたのを大変喜んでおりました。
その後、東京に新しく出来た能舞台での出演も決まっており、
いよいよ、上原まりさん復活を感じていた矢先でした。
京都でのコンサートの翌月、入院した私は
気になりながら、まりさんと連絡を取っていなかったのです。
事務所の社長、松野正義さんは私がリハビリ中なのを知っているので、
敢えて知らせなかったのだと思います。
人の命のはかなさを痛いほど噛みしめている私です。
まりさん、もう一度あなたの筑前琵琶を聴きたかったです。
合掌。
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今週は暗いお知らせで申し訳ありません。
来週は明るいお知らせができる様にいたしますのでおゆるしください。
(一般社団法人 達人の館 代表 橘市郎)