私は典型的な甘党でした。
お酒はほとんど飲まない代わりに甘いものに目がなかったのです。
特に洋菓子は大好きで、ちょっとしたおいしいケーキ屋さんの常連でした。
今回、脳梗塞と糖尿病を併発したのも
自業自得と言っていいと思っています。

退院してからはかなりの制限を受け、
1日置きに血糖値を計り、節制しています。
塩分を多く取りすぎると、今度は血圧が上がるので、
お陰様でほとんど味のついていない食べ物に慣れました。
家内には「好きなものをどんどん食べなさい」と言うものの、
基本的には私の食事に味をつけている程度なので、悪いなと思っています。

でも、今回のお陰で素晴らしいことに気が付きました。
食べ物そのものの、本来の微妙な味を感じるようになったのです。
今まででしたら、大根やもやし、
キャベツと言ったものの味が分からなかったのに、
微妙な味わいを感じるようになったのです。

元来の舌の機能が蘇ったのです。
娘が同情して送ってくれた、
糖尿病でも食べられる特殊なケーキが何と美味しかったことか。
詰まりは舌が敏感になったということでしょう。
人間の欲望がどんどんエスカレートしている中で、
元来の自然な味を体験できたことは、本当に良かったと思います。
飽食の時代に貴重なことを教えられた気がしています。

(一般社団法人 達人の館 代表 橘市郎)