今週始めにお二人の訃報を聞いた時には、実にショックでした。
もう40年も前になりますが、お二人は日劇ミュージカルの第
「私はオンディーヌ」の準主役で出演されることになっていました。
主演は小柳ルミ子さんでした。
市原さんは予定通り出演されましたが、
天地さんは妊娠の為直前に降りられることになったのです。
天地さんのご主人は早稲田大学の後輩であり、
日産の広告代理店では大変お世話になっていたので複雑でした。
市原さんは当時も歌が大好きで、
打ち上げの時など「涙の連絡船」を歌ってくれたほどでした。

公演が終了して何ヶ月か経った頃、
私の住んでいたマンションの真向かいの別棟で
何かロケが行われたことがありました。
たまたま覗いてみると、何と市原さんがいるではありませんか。
今、考えてみるとこれが「家政婦は見ていた」の撮影だったのですね。
私はびっくりして「市原さん!」と声をかけました。
市原さんも「何んで?」と言う顔をしていたのが昨日のようです。
お仕事中だったのでそのまま失礼しましたが、
あの時以降、市原さんにお目にかかる機会はありませんでした。
でもあの時の偶然は忘れることが出来ません。
本当に温かい、まったりした方でした。
まだ30代の若いプロデューサーにとっては母親のような存在だったのですね。 
どうか安らかにお眠りください。

(一般社団法人 達人の館 代表 橘市郎)