今日が平成最後の日となりました。
あっという間の31年間のように思います。
私が平成元年の時は47歳ですから、
三代目市川猿之助さんにミュージカル「イダマンテ」の演出を依頼し、
近藤真彦さんはじめ、異色の方たちに出演を了承していただいた年です。
スタッフも脚本のジェームス三木、作詞のなかにし礼、音楽の甲斐正人、
舞台装置の朝倉摂と言った錚々たる方たちが協力して下さいました。
私がもっとも元気だった時と言っていいと思います。
その平成が今日で終わると言うことに特別の感慨を覚えます。
平成よ、ありがとう と言わずにはいられない進境です。

人は誰でも老いて行きますが、
特に私の場合「時代と共に」と言う気がしています。
いろいろなことにけじめをつけて行くべきタイミングを感じています。
明日からは令和。
これからどういう人生を生きてゆくべきかをじっくり考えたいと思います。

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少し時間が経ちましたが、4月25日に作曲家の甲斐正人さんに招待された
ミュージカル「ハル」を見て来ました。
脚本・作詞の高橋亜子さんも前からお付き合いのある方なので、
甲斐さんの音楽ともども大変、楽しみでした。
さすがにこのコンビはお互いを良く理解し合い、息がぴったりと言う感じでした。
甲斐さんの音楽は緻密で、複雑な脚本を
うまくミュージカル化していたと思います。
耳になじむような単純な旋律を期待していた人にとっては、
やや難しい面もありましたが、
オリジナリティを考えた時にはやむを得なかったと思います。
甲斐さんが流行作家ではなく、本格派の作曲家である証拠でもあるのです。

ハルを励まし、ボクシングの世界に引き込んだ女性・真由の存在が実在なのか、
幻影なのかが少し分かり難くかったのは私だけでしょうか。
それにしても客席は女性ファンで満員。
興行としても盛況だった事にほっとしました。
甲斐さん、本当にありがとう。
今後の益々のご活躍を祈っています。

(一般社団法人 達人の館  代表 橘市郎)