現在放映中のドラマ「エール」は古関先生をモデルにしたものですが、先生の作品を紹介した「古関裕二 不滅のメロディ」という日劇での音楽会は忘れることが出来ません。

これは演出家の山本紫朗先生の企画で古賀政男、服部良一、古関裕二という3人の作曲家の曲をそれぞれフュ―チャーしたものでしたが、いずれの方とも親交の深い山本先生だからこそ実現した企画と言えます。

私は制作担当ということで関わりましたが大御所ばかりの出演者にてんてこ舞いしたのを覚えています。華やかな服部先生に対し、古関先生は地味なタイプでしたが、お二人とも謙虚で優しいのに驚きました。書ききれない程のヒット曲を作られたにもかかわらず、少しも威張らないお人柄が印象的でした。

「能ある鷹は爪を隠す」という格言を地で行くような先生を思い出します。先生の作品は年月を経るほど評価されていくことでしょう。今この時に先生の一生をドラマ化してくれたプロデューサーに敬意を評したいと思います。 

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不要不出の外出を控えるようにしていますが、世の中にはこんな時にも能天気にレジャーを楽しもうとする人がいるようです。

感染のリスクは誰にもありますが、少なくとも自らその可能性を広げない節制はエチケットのような気がします。

「自分さえ良ければ」というエゴを捨てるよう努力しましょう。世界のあちらこちからはげましのメッセージが送られて来ます。

「災い転じて福となる」という事になるといいですね。

(音楽・演劇プロデュユーサー  橘市郎)