緊急非常事態が解除されそうです。
ほっとする一面がある一方、ここで緊張が解かれて第2波がやって来るのではという不安が付きまといます。一人ひとりが慎重に気を付けなければいけないと思います。学校での授業が再開されると同時に、今後の学年暦がいろいろと議論されています。そこで出てきたのが、欧米の9月入学式に合わせる案です。

今の時代にはその方が便利だという考えでしょうが、自然の季節は各国違うのです。私はそれぞれの季節にあった学年歴にすべきだと思っています。桜が満開の入学式、海水浴をしないではいられない夏休み、腰を落ち着けて勉強が出来る秋、クリスマスやお正月を堪能出来る冬休み。この間に各地の祭事や催物が伝統的に行われます。年間を通して歳時記が確立しているのです。

これが各国独特の文化というものでしょう。長年かかって培ってきたものを軽々しく変えるのは如何なものでしょう。私は各国が自然にあった対応をしてお互いがそれを認め合うのがいいと思っています。これは人間で言えばお互いに個性を尊重することに通じています。

新型コロナウイルスは確かに人間に試練を与えました。しかし、これも単純に憎い敵とは思わず人類に教訓を与えてくれたものと思えばプラス思考も生れてくるのではないでしょうか。自然界の空気がきれいになったとか、人類は協力し合わないと生き残れないという教訓を与えてくれたことなど貴重な体験として捕らえたいものですね。試練はまだまだ続きますが、辛抱強く耐えましょう。

(音楽・演劇プロデューサー 橘市郎)