一瞬の静寂

音楽・演劇プロデューサー・橘市郎のブログ。日々思ったことを綴っています。 東宝(株)と契約し、1973年にプロデユーサーに。1981年独立後は、企画制作会社アンクルの代表をつとめ、中野サンプラザからの委嘱で「ロック・ミュージカルハムレット」「原宿物語」「イダマンテ」を、会社解散後は「ファンタステイックス」「ブルーストッキング レデイース」などのミュージカルを制作。 2001年京都芸術劇場の初代企画運営室長。

2015年06月

Argentine_tango_A4
日本のファン・ダリエンソ西塔祐三と

オルケスタ・ティピカ・パンパのメンバーの中から選ばれた
実力人気ナンバー1のチコス・デ・パンパが演奏し、
菅原洋一、なかにし陽子がカミニート、
淡き光、恋心、小雨降る径の他、
アルゼンチン・タンゴ、コンチネンタルタンゴなどの名曲を歌います。


☆予定プログラム☆
夜のタンゴ、小雨降る径、恋心、カミニート、
淡き光に、永遠の別れを、ジーラ・ジーラ、
ビューティフル・メモリー、
夜明け、パリのカナロ、

エル・チュクロ、
夜のプラットホーム、
ラ・クンパルシータ、他

 時  平成2710101430 開場1500 開演
     (予定上演時間 2時間)途中休憩あり
  
会 場  京都芸術劇場 春秋座
 
出 演  チコス・デ・パンパ
      
(バンドネオン:北村聡、バイオリン:永野亜季、
       ピアノ:宮沢由美
コントラバス:佐藤洋嗣)
     歌 菅原洋一・なかにし陽子

入場料〔全席指定〕 平成27年7月15()  (714()友の会先行発売)
一般        5000円

京都芸術劇場友の会 4000円

学生&ユース 
   2500円(区域指定)

お問い合わせ ()達人の館 

       TEL 075708-8930 

       FAX 075708-8934

達人の館がこの秋、春秋座で
アルゼンチンタンゴのコンサートを主催することになりました。
これは、業界の大先輩である
インターナショナルカルチャーの社長・松野正義さんが、
東京や横浜で数年前から行っている企画です。

松野さんとは35年以上のお付き合いですが、
そもそもは桑名正博と岩崎宏美が主演した
ロックミュージカル「ハムレット」の
制作を委託されたのが始まりです。
松野さんはお父様の代からこの世界で活躍されていて、
今や芸能界の生き字引とも言うべき人です。

まだ30代の私に
「あなたは自分で描いたイメージに沿って仕事をするタイプだから、
こちらでいちいち口出しをしない。
自分のやり方で責任を持ってやってほしい」
と言ってくれたことが忘れられません。

松野さんは中野サンプラザの担当者から厚い信頼を受けていて、
いくつかの企画を提供していました。
草刈清子さんという名物女性宣伝プロデューサーとの
二人三脚も功を奏していたようです。

草刈さんはマネージャーとしても才能を発揮し、
前田美波里他のタレントを育て上げました。
当時、日劇のミュージカルを制作していた私の仕事ぶりを見て、
松野さんに推薦してくれたようです。
ジョー山中、五十嵐麻利江コンビでの
「ハムレット」でもごいっしょし、すっかり意気投合。
麻雀やゴルフも良くやりましたが、
フェアプレイで楽しい方でした。

その松野さんが70歳を超えてから、
突然、昔好きだったタンゴのコンサートを始めたのです。
当初は多少苦戦していたようですが、
回数を重ねるうちにお客様が増えてきました。
タンゴの魅力を知っている年配の方たちが噂を聞いたのですね。
演奏者は逆に若手の実力あるミュージシャンが現れてきました。
今年に入っての盛会ぶりは大変なものです。松野さんから
「デュークエイセスのコンサートをやった達人の館に
ふさわしいものだと思うよ」と言われてみると
「そうかも知れない」と思ってしまいました。
おまけに、尊敬する菅原洋一さんも来てくれるし、
名古屋の名歌手なかにし陽子さんも参加してくれるというのです。
確かに達人の館が掲げるコンセプトにぴったりではありませんか。
京都という所とタンゴがどうかという一抹の不安はありますが、
これまで達人の館が企画した公演においでいただいた
お客様の期待を裏切らないことをお約束します。
どうぞ、チラシをごらんいただき春秋座にお出かけください。
                  (達人の館 代表 橘市郎)
  
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今月日、ソプラノでイタリア在住の
藤井泰子さんと京都でお目にかかりました。

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年来お付き合いしているバリトンの中村靖さんから電話が入り、

「教え子でイタリアで大活躍している女性を紹介したい。

イタリアの記念行事で歌うため、今京都 に来ている」とのこと。


中村さんは箱根湯本の老舗旅館のご主人でもあり、
京都のおいしいお店を良く知っている方なので、
「またおいしいものが食べられる」と喜び勇んで出かけました。


藤井さんのことは全く存じ上げていなかったので、

念のため事前に、ネットで調べてみました。

慶応義塾大学総合政策学部卒業後、日本オペラ振興会オペラ歌手育成部終了。

イタリア政府給費を得てボローニャ元王立音楽院で学ぶ、とありました。

「川越塔子さんが東大卒なら、藤井さんは慶応卒か、ヘー」

などと軽い気持ちでプロフィルをたどっていくと、

サルッツオのマグダオリヴェーロ・オペラ国際コンクール優勝。

その後ルーマニアやイタリアのオペラ劇場で

いろいろなオペラの主役を演じているんですね。

さらに驚いたことにはイタリアの国営放送局でコンサートやドラマに出演、

イタリア最高視聴率番組のレギュラー出演も努めています。


知らないということは不幸でもあり、幸福でもあるのですが、

さすがに私は勉強不足を恥じました。

多少緊張して初対面の挨 拶を交わした時、私はまた驚きました。

藤井さんは構えるところは全くなく、

まるで何十年来の友人と会うような自然体で話してくれました。

私は一瞬にして 「この人はいろいろな人生経験をし、

それなりの苦労と努力をされてきた方だ」と感じました。

中村さんも大病を患い、度の大手術を克服して生還しています。

私も一度挫折し、人生をやり直しています。

人は苦労話を笑いながら話すことが出来ました。

仕事を離れて時間あまり盛り上がりました。

翌日、藤井さんから、
「昨日はありがとうございました。

無事歌い終え、明日イタリアに戻ります。

お陰さまで、この夏、京都で行われるイベントに

また呼んでいただけそうです」

と電話が入りました。

「それは良かったですね、私も来年の月以降、

藤井さんのリサイタルを京都でやりたいと思っています。

来日された時に詳しいお話をさせてください」

「来年でしたら、私、福山の新市というところで歌います」

「えっ、新市は原爆が落ちた時、私と母、妹が疎開していたところですよ!」

東京空襲で焼き出された母と私、妹の3人は身寄りがなく、

遠い親戚を頼って、新市に行き、村の公民館に居候していました。


原爆が落ちた時村の青年団の方が救援に行き、

帰って来てから髪の毛が抜け落ちたのを子供心にはっきり覚えています。

新市と聞いたとき私は不思議な縁を感じました。

来年、藤井さんのリサイタルは必ず実現させるつもりです。

中村さんに報告したことは言うまでもありません。

皆さんもぜひ藤井泰子さんを検索してみてください。


話し変わりますが、今月27日の

「江藤ゆう子 昭和を歌うー昭和50年代編ー」は

14
時、17時の回とも完売となりました。

心よりお礼申し上げます。


次回の昭和60年代編は27日に、会場にて前売りをいたします。

当日、会場にお見えにならない方は、

達人の館 FAX075-708-8934

へ、お申し込みください。

29
日に折り返し確認の電話を入れさせていただきます。

達人の館 代表 橘市郎

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