達人の館

   本物の芸をじっくりと味う、大人のためのコンサートを企画・主催しています。

2016年06月

来月10日、参議院選挙が行われます。
私は信頼している議員はいますが
特にどの政党を支持するとは決めていません。
政党よりも今度の選挙で何を重視するかというと、
いかにして安部政権の暴走を止めるかということです。

別に安部首相が憎いわけではありません。
人は誰でも権力を持つと独善的になります。
殊に数によって権力を得たものは
何でも自由に出来ると錯覚するものです。
治安維持法にしても、集団的自衛権にしても
数の力で強引に通してしまったあの時に、
数の恐ろしさを痛いほど感じました。

政治というものが当選議員の数によって
好きなように行われるのであれば、
それを阻止するには作戦を練って、数を増やすしかないのです。
このまま偏った数のままにしておくと益々独走を許してしまいます。
やがて独裁政治になり、
昭和10年頃から第2次世界大戦に至ったような状況になりかねません。
今度の選挙で、安部首相を満足させるような結果になったら、
彼は間違いなく憲法改正に突き進んでいくことでしょう。
そして、私が一番恐れていることは、第9条に手をつけて、
日本が専守防衛以外にも戦争が出来る国にしてしまうことです。

日本だけが、自分からは武力を行使しないと宣言している
この第9条こそ、世界から戦争がなくなる希望の灯火なのです。
この時代、武力では絶対国民の命を守れません。
ひとたび戦争が始まれば勝ち負けなどに関係なく
たくさんの命が奪われ、地獄図となります。

国民の命を守るということは、
どうしたら戦争にならないかを一生懸命考え、
話し合って、外交手段に訴えることです。
相手を敵と見なし、刺激することが
どんなに危険なことかを全く考えないというのは恐ろしいことです。
どこかの国と同盟を組むのではなく、
むしろ中立の立場を貫き、仲直りをさせるのが
日本の取るべき道ではないでしょうか。

仲介の労を果たす時に、もっとも力になるのが第9条だと信じています。
武力こそ、抑止力と決め込んでいる頭を冷やして頂くためにも、
数を背景にした独走を止めなければいけません。
野党が連携して安部政権と対立することは決して野合とは思いません。
まずブレーキを掛けて止めるためには、これしかないと思います。
まずは車を止めてから、これからどうするかを考えればいい。
もちろん、車を止めた後のことを
同時に考えることも必要ではありますが、
とにかく今暴走車を止めないことには
取り返しのつかないことになります。
大切な分かれ道にもかかわらず、選挙に行かなかったり、
これから先のことを自分自身で考えず、
後で後悔することのないようにしましょう。

政治については素人ですが、
偏ることの怖さを経験で実感している一老人の叫びに
耳を傾けていただければ幸いです。
(達人の館 代表 橘市郎)


621日(火)に「レ・フレール スペシャルコンサート」の
先行発売が行われました。
これは京都芸術劇場友の会と、
以前から達人の館でチケットを買っていただいている
お客様を対象にしたものです。
私はこの先行発売でかなりのチケットが出るものと予測していました。
しかし、結果は意外にも予測の半分にも達しませんでした。
「達人の館主催公演に来られたお客様は
年配の方が多いので、そのせいかなあ?」
「今まではヴォーカルものだったので、
声が聴けないものには興味がないのかなあ?」
「宣伝不足なのかなあ?」などと理由を考えましたが、
すぐには思いつきませんでした。

気分転換のため、Youtubeでレ・フレールの演奏を聴きなおしました。
そこではたと気がつきました。
「これは実際に演奏を聴いたり、
見たりしなければ良さが判らない」
ということでした。
私自身が2年前まで、レ・フレールの演奏に
触れていなかったのですから、活字や言葉だけで、
チケットを買う気になれないのは無理もありません。
レ・フ レールの演奏を聴いたり、見たりしたことのない方は、
ぜひ、Youtubeを開いてください。
かなりの映像が公開されています。
これを見れば彼らの素晴らしさがお判りいただけると思います。
クラシック・ファンの方も、ジャズ・ファンの方も
まずは彼らの演奏に触れてみて欲しいものです。

「知らない」で終わることなく、まずは聴いてみる、
見てみることは何についても大切なような気がいたします。
これは食べ物でもそうですよね。
「食わず嫌い」と言う言葉がありますが、
食べてみたら余りにおいしいので、
はまってしまったということは良くあります。

26日(日)の大阪新歌舞伎座公演は完売だそうです。
昨年、聴いた人が友達や知り合を誘ったに違いありません。
聴き逃がしたと後悔されないようぜひご来場くださいますよう
お待ちし申し上げております。

(春秋座顧問プロデューサー・達人の館代表 橘市郎)

私がレ・フレールの存在を初めて知ったのは、2014月でした。
昭和音大で同僚だった角屋里子さんが
東京からわざわざ電話をしてくれて
「斉藤圭人ヴァ スコ・ヴァッシレフ」のコンサートが
大阪のフェニックスホールであるけれどいらっしゃいませんか?
と誘ってくれたのです。

このコンサートのプロデューサーである伊藤和則さんは、
昔オーチャードホールで角屋さんと
フロントの仕事を一緒にしていた後輩なので、
招待をしてくださるということでした。
厳密に言うと、その日はお兄さんの斉藤守也さんは出ていなかったので、
レ・フレールの演奏を聴いたわけではありません。
しかし、圭人さんが世界的なヴァイオリン奏者
ヴァスコ・ヴァッシレフに臆せず、
素晴らしいテクニックを披露してくれたので、
彼の経歴をプログラムを通じて確認したのです。
その結果、普段はお兄さんの守也さんと
レ・フレールという名前で活躍していることを知りました。
本当に不勉強ですね。
でも、そのお陰で絶対今度は
レ・フレールのコンサートを聴こうと思ったのです。

その機会は半年後に訪れました。
同じ年の1013日、京都劇場で
正真正銘の「レ・フレール コンサート」が行われると
伊藤さんから連絡をいただいたのです。
当日、私はワクワクしながら
開場の15時半に京都劇場に着くよう家を出ました。
ぴったり、その時間に着いたのですが、何と入り口には誰もいません。
おかしいなあと思い目を凝らすと
「台風のため公演中止」の貼り紙が目に入りました。
確かにこの日は台風接近の情報がありましたが、
京都をそれた感じで、交通機関も動いていたのです。
主催者としては早めに決断し中止を決めていたのですね。
代替公演は1124日ということでした。

約1ヵ月後、今度こそ私はレ・フレールの演奏を聴くことができました。
待ち焦がれていたせいもあるかも知れません。
その演奏は期待以上でした。
本の手が交錯しながら猛烈な速さで動くさまが映像で拡大され、
余計迫力を感じさせました。
10代から70代くらいまでの幅広いお客様が手拍子を取り演奏を盛り上げます。
弟さんの圭人さんが寡黙で芸術家肌なのに対し、
お兄さんの守也さんは饒舌でショーマン肌という対照が、
絶妙の味を出していました。
守也さんが汗びっしょりで客席に顔を向けて演奏するのに対し、
圭人さんが涼しげに見えるのもご愛嬌でした。
もちろん、演奏のレベルは高いのですが、
それ以上に音楽は楽しいものだと言うメッセージが強烈に伝わってきました。

レフレール
このエンターテインメント性を十二分に発揮した舞台が、
昨年6月28日の新歌舞伎座公演でした。
商業劇場でレ・フレールのコンサートというのは、
一見違和感を感じますが、歌舞伎も上演できる劇場の雰囲気を逆手にとって、
肩のこらない上質な娯楽性のある演奏を聴かせてくれのです。
ジャンルや場所を越えて
自分たちの持ち味を発揮するという心憎さは凄いなと思いました。
本物はどこへ行っても本物なんですね。

さて、このレ・フレールが9月10日(土)、春秋座に登場します。
開場15周年を記念して「スペシャル・コンサート」
やってくれることになりました。
達人の館主催ですが
京都造形芸術大学舞台芸術研究センターも共催してくれています。
22日から一般発売が開始されますので、
どうぞお早めにお申し込みください。

       
     

TEL 075-708-8930
FAX 075-708-8934

どちらでも申し込み出来ます。

まさしく、達人の演奏をぜひお楽しみください。


(春秋座 顧問プロデューサー・達人の館 代表 橘市郎)

723日〔土〕に岡崎のNAM HALLで行われる
夏山美樹 京都初コンサート」は出足は好調だったのですが、
ちょっとチケットの動きが止まってしまいました。

夏山美樹さんは、幾多のスターを輩出した
日本テレビの「スター誕生!」で
片平なぎささんと同時優勝した逸材ですが、
アイドル路線に飽き足らず、ミュージカルやジャズ、
芝居に挑戦する道を選び、40年以上歌い続けてきた達人です。
ご主人はアニメの映画監督として数々の名作を生み出している
杉井ギサブローさんで、
今年も「あらしのよるに」がまもなく公開されます。

今回のコンサートが実現出来たのは、
いろいろな偶然が重なったのですが、
その経緯はチラシの裏面に載っています。
しかし、文字が余りにも小さく目立たないので、
読んでくださった方はほとんどいないようです。
私の身近な人たちも
「えっ、そうだったの? 気がつかなかった」というほどです。
そこで、その部分を改めてこの欄でご紹介したいと思います。
どうぞ、お読みいただいて、「神様の思し召し」としか
言いようのないこのコンサートにお出かけください。





                   神様の思し召し

夏山美樹さんと初めて会ったのは、40年も前になります。
数多くのスターを輩出したNTVの 「スター誕生」で
片平なぎささんと一緒に優勝し、
徳間ジャパンからデビューしたものの、
アイドル路線に飽き足らず、
劇団に入ったり、ジャズやミュージカルに興味を持って
将来を模索していた頃です。

私は会った途端、自分がやっていた小さな制作会社で
マネージメントをしたいと申し入れました。
素質を感じたからです。
親しくしていた萩本欽一さんに番組への出演を依頼したり、
自分が制作するミュージカルに抜擢したり、
古巣の東宝ミュージカルに出してもらったりしているうちに、
彼女はどんどん力を付けていきました。

コンサートも実現したし、
一流ホテルのラウンジでも歌えるようになりました。
映画にも出演しました。
ところが23年前、私のやっていた制作会社が倒産。
夏山美樹さんは一人で歌手活動を続けていかねばなりませんでした。
結婚、子育てを経験しながらも、彼女はずーっと歌い続けていたのです。
年前、私はある会で彼女の歌を20年ぶりに聴きました。
巧みなトークを交えながら、
誰でも知っているナンバーを数曲披露したのですが、
そのいぶし銀のような歌唱に胸を打たれました。
歩んだ人生を何一つ無駄にせず吸収したしなやかな歌唱。
いつか彼女のコンサートをやりたいという思いが沸いてきました。

一方、私は2年前に達人の館を発足することができました。
20年ぶりに彼女の歌を聴けたこと、
年前に達人の館を立ち上げられたこと。
この二つが重なり、このコンサートを実現出来たのは、
まったく「神様の思し召し」としか言いようがありません。
彼女の歌う映画音楽やスタンダードナンバーの数々は、
きっと皆様を満足させてくれると信じています。

 (達人の館 プロデューサー 橘市郎)





27日、歌舞伎俳優の市川右近さんが、
来年1月に3代目市川右團次を襲名するという
記者会見が行われました。
私はすぐにお祝いのメールを送りました。
すると「無事会見を終えほっとしております。
猿翁師匠のご理解あってのことと感謝しております。
応援のほどよろしくお願いいたします」
というメールが返って来ました。

右近さんは猿翁さんの初部屋子として入門。
スーパー歌舞伎を立ち上げた猿翁さんを
一番弟子として長い間支えてきました。
私が猿翁さんに演出をお願いした
ミュージカル「イダマンテ」でも演出補として、
近藤真彦さんの演技指導を献身的にしてくれました。
家柄にこだわらずお弟子さんを育ててきた猿翁さんが倒れた時、
代目猿之助を継承するのは
右近さんであろうと大方の人は思いました。
しかし、猿翁さんが熟慮に熟慮を重ねて出した結論は、
「甥っ子の亀治郎さんが代目猿之助を襲名」でした。

大樹の傘に頼らず、自らおもだか屋を離れて活動し出した亀治郎さんに、
かつて歌舞伎界の異端児といわれた自分を重ね合わせたのかもしれません。
右近さんは忠実に師匠の芸を見習うタイプでした。
師匠の代役を務めた時も立派にその役割を果たしていました。
一方、亀治郎さんには型破りというか奔放さがありました。
猿翁さんは家柄にこだわる人ではないので、
亀治郎さんの野性味を買ったのだと私は思っています。

とはいうものの、右近さんにしてみれば
複雑な気持ちだったに違いありません。
でも彼は決して腐ったり、不満を口にすることはありませんでした。
むしろ、その後に与えられた役を精一杯、彼らしく演じていました。
お父様が飛鳥流の宗家ということもあり、男らしい舞は独特のもの。
師匠譲りの演出家としての才能も発揮。
オペラ「夕鶴」の演出は素晴らしいものでした。

私は、右近さんは右近さんで
新しい個性を発揮して欲しいと密かに思っておりました。
そんな意味でも、80年ぶりに復活する
名跡の襲名は祝福しないではいられません。
また、息子さんのタケル君の2代目右近襲名もいいですねえ。
いずれは実現するであろう
猿翁さんのお孫さん団子君との共演は夢のようです。
右近さんがこの襲名を「猿翁師匠のご理解あってのこと」と
感謝している背景が私にははっきり見えます。
これこそ師弟愛なのでしょう。

                   (達人の館 代表 橘市郎)




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