一瞬の静寂

音楽・演劇プロデューサー・橘市郎のブログ。日々思ったことを綴っています。 東宝(株)と契約し、1973年にプロデユーサーに。1981年独立後は、企画制作会社アンクルの代表をつとめ、中野サンプラザからの委嘱で「ロック・ミュージカルハムレット」「原宿物語」「イダマンテ」を、会社解散後は「ファンタステイックス」「ブルーストッキング レデイース」などのミュージカルを制作。 2001年京都芸術劇場の初代企画運営室長。

2016年08月

台風10号が迷走を続け、
今日の午後には東北地方に上陸というニュースが流れています。
日本の近くで発生し南西方向に移動した後、
Uターンして本土を突っ切って行くという進路は見たことがありません。

大体この時期に何本もの台風が発生しているというのも珍しいですね。
気象変動が起きているとしか思えません。
アフリカ大陸で戦争が絶えなかったり、
核保有国が核実験を行ったり、
炭酸ガス発生の抑制が遅れていたりすることが
地球を痛めつけているからだと思うのは偏見でしょうか?

木々の緑が失われ、極地の氷が解けていくという現象が、
人間のエゴによるとしたら、自ら自殺行為をしているも同然です。
経済的発展、文明の限りない進歩を求める余り、
人類、いやこの地球上に命を宿している
すべてのものを危機にさらしているとしたら、
考え直さないといけないのではないでしょうか?
地球の命、地球の資源にも限りがあります。
それをもっと大切に慈しまなければいけないと思います。

太陽光や水力、風力といった自然エネルギーを活用し、
地球を労わる工夫を真剣に考えないと地球は破壊されてしまいます。
日本人には昔から自然崇拝の思いがあります。
今こそ、この精神が生かされるべきだし、
地球を救うのもこの心だと思うのです。
こんなことを大上段に書くのは照れくさい気がしますが、
素直な気持ちであることは間違いありません。
どうぞ台風の被害が最小限に食い止められますように!

(達人の館 代表 橘市郎)

オリンピックもとうとう閉会式を迎えますね。
深夜までテレビをつけ、朝6時になると
またテレビをつけるといった生活も終わりです。
「準備が間に合わないかもしれない」、
「治安が心配だ」といった声が聞こえてきた
リオデジャネイロの大会でしたが、
致命的な事件もなく、無事終われそうなのは何よりです。

とにかく日本人が予想以上に好成績を挙げたのは何よりでした。
メダルにこだわるのは余り好きではありませんが、
といってメダルに全く縁のない競技には燃えませんものねえ。
人間には、元来闘争本能があることは間違いない事実です。
これがあるからこそ、人類は進化してきたのも事実です。

しかし一方で戦争が絶えないのもこの本能のためではないでしょうか。
その本能を、一定のルールの下、スポーツというもので
発散させる工夫は素晴らしい発想だと思います。
ボクシング、レスリング、柔道などの格闘技は
正に闘争本能を発散させる代表的なスポーツですが、
サッカー、ラグビー、ホッケー、バスケットボール、
バレーボールなどもチームプレイで闘争本能を満たしています。
陸上、水泳、バトミントン、卓球、体操競技に至るまで、
全てがルールを守りながら闘争本能をむき出しに力を競い合います。
ルールがあるからこそそれを破ったものは
当然のように失格になります。
そしてそのルールを守りながら
相手に対する思いやりや友情が芽生えます。
闘争本能がどんなに激しくとも
相手を殺すなんてことはありません。
勝者は 祝福され、敗者は健闘を讃えられます。
何と素晴らしいことでしょう。

これに対し戦争にはルールが一切ありません。
ひとたび始まれば道徳も倫理観もなく殺しあうのです。
オリンピックというスポーツの祭典を考え出した人は、
スポーツが少しでも戦争を無くす方向に寄与すること
を期待したに違いありません。
スポーツで闘争本能を発散させ、
無益で、残酷で、凄惨な、狂気の戦いを
やめさせようとしたに違いありません。

世界中が、オリンピックでの戦いに興奮し、
感動していた間でも戦地では戦いが続いていたようです。
でも、心なしかオリンピックの間は、
少し平安だったような気がします。
戦争などやめて、一定のルールの下、
スポーツで思い切り戦いあいたいと思った人が
少しでもいたとしたら救いです。
世界の首脳たちはオリンピックの価値を再認識して、
戦争を無くし、オリンピック をこれまで以上に、
盛大に開催することを協議したらいかがでしょう。

武器、弾薬、核兵器にお金を使い、人命を奪い、
文化遺産を破壊していくことにお金を使うより、
ずっとましだと思います。
こう考えると、オリンピックにこそ
世界を平和にするヒントがあるのかもしれません。

(達人の館 代表 橘市郎)

13日、14日と京都造形芸術大学×東北芸術工科大学の大阪藝術学舎で
「舞台芸術の企画制作」という集中講義をしてきました。
年間、この時期に
「オペラとミュージカルの魅力とその比較」
「美しい日本語で心を伝える方法」(2年間)
「日本のショービジネス~日劇の50年を中心に」
「戦後歌謡史」
と、テーマを変えて講義してきましたが、
今年も20代から70代の男女30名が集まってくれました。
この暑さの中、東京、福岡からの受講生もいたんですよ。
職業柄、毎年受講生がどのくらい集まってくれるのかが、いつも心配です。
良くぞ30名も来てくれたと感謝しています。

すでに地元でイベントの企画をされている方、
学内で催される公演の是非を審査する立場の方、
これから外国の方と交流出来そうな企画を模索されている方、
企画制作の仕事を目指す学生さん、
展覧会、展示会における宣伝方法や
広告取りのノウハウを知りたい方。
チケット販売をいかにしたらいいのか悩んでいる方など
いろいろいましたが、少しでもこの講義が
参考になったらいいなあと思っています。

私が高校1年生の時立ち上げたオペラ部が、
50年も続いていたことを話したのですが、
休憩の際ひとりの受講生が声をかけてくれて
「先生の高校って昔の教育大付属高校ですよね?」と訊かれました。
「そうですが....」と答えますと
「実は私の夫もその高校の卒業生で、オペラ部に所属していたそうです。
モーツアルトの魔笛をやり、
大道具の製作もしたと言っておりました」とのこと。
講義終了後、持って来てくれたメモには、
ご主人のお名前と77回という卒業年度が書かれていました。
私が67回卒業なので、丁度10年後輩の方なんですね。
不思議なご縁を感じました。
中には風邪を押して、三重県から来てくれた方もいました。
今回が初めてではなく
複数回私の講義を聴きに来てくれている方もいるようでした。
本当にうれしいことです。

さて、オリンピックも終盤戦にさしかかりましたね。
日本人選手の健闘ぶりについつい睡眠不足になっている毎日です。
イチロー選手の3,000本安打達成のニュースや
高校野球、プロ野球の大熱戦の模様も新聞の紙面を賑わせています。
オリンピックが終わったら
新聞はページ数が減るのではないかと心配しているほどです。
月もあと半分。お互いにこの暑さを乗り越えましょう。
さすがに9月になれば秋の訪れを感じさせるはずです。
9月10日、レ・フレールが春秋座にやって来てくれる頃には、
快適な気候になることを期待したいと思います。
(達人の館 代表 橘市郎)

 



31日、大阪フェスティバルホールで
「ザ・ピアニスト」という公演がありました。
辻井伸行、加古隆、レ・フレールの共演ということで2800の客席は満席。
ホールや劇場が満席というのは気持がいいものですね。

この会場が新しくなってから初めて行ったのですが
想像以上に豪華で、音響も良かったです。
実はこの日、私は鑑賞のためというよりは
レ・フレールの伊藤プロデューサーのご好意で、
10日に春秋座で開催される
「レ・フレール スペシャルコンサート」のチケットを
会場で即売させていただいたのです。


開場前と休憩時間までは枚しか売れなかったチケットが
終演後には40枚も売れました。
もう残り少ないこともあり、
後方の席にもかかわらずこれだけ買っていただけたのは
最後に登場したレ・フレールの演奏に感動したからだと思います。
やはり実際に聴いてみないと彼らの凄さ、
楽しさは分らないのでしょう。
部のレ・フレールが登場する前に、伊藤さんが
「レ・フレ-ルのコーナーとアンコールは
ぜひ客席で聴いてください」と席を取ってくださいました。
「即売の方はエスカレーターを降りた階に移ってやりますので、
最後まで聴いていただいて大丈夫です」と言われ、
ご好意に甘えることにしました。
レ・フレールの演奏が始まるや、
それまで比較的静かに聴いていたお客様が手拍子を始めました。

会場全体が熱気に包まれ、
まるでライブ会場の様な雰囲気になりました。
でも、スローテンポのバラードになると
水を打ったように静かになるのです。
「盛り上げる」「静かに聴かせる」。
この2面性こそレ・フレールの真骨頂なのでしょうね。

アンコールには何と加古隆さんが
辻井伸行さんをエスコートして登場。
台のピアノを使って合同演奏を聴かせてくれました。
それぞれ個性を持ったアーチストがお互いの才能を認め合い、
お互いの音を聴きながら演奏する姿に、胸を打たれました。

人間同士が殺しあっている現実が信じられない、
人間同士の愛に満ちた交流。
音楽には、世界を平和にする力があると
希望がわいてくる時間でした。

     レフレール_20150419_4_YKHM_SGYM_041
即売のために出かけた私に、
思いがけない感動をもたらしてくれた
4人のアーチストに感謝したいと思います。
そして、この演奏を聴く機会を与えてくださった
伊藤プロデューサー、ありがとうございました。
10日、春秋座にてお待ちしています。

このブログを見ていただいている皆様、
ぜひレ・フレールのコンサートをお見逃しなく!
チケットの残りはわずかです。

(春秋座 顧問プロデューサー・達人の館 代表 橘市郎)


チケットのお問い合わせ・お申し込み:達人の館  
電 話  075-708-8930
FAX  075-708-8934



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