達人の館

   本物の芸をじっくりと味う、大人のためのコンサートを企画・主催しています。

2016年09月

9月24日、春秋座で
「2代目市川猿翁のアーカイブ・フォーラム」が開催されました。
春秋座開場15周年を記念しての企画でしたが、
私もご招待され初めて9列目の中央で観客として催し物を拝見しました。
自分が直接携わっている時は、
いつも鳥屋の下手側(チケットを販売していない席)で公演を見ていたので、
舞台がとても近く感じられ、何故か落ち着きませんでした。
舞台上の役者さんと目が会うと思わず
「お早うございます!」と言ってしまいそうなのです。

司会の市川笑三郎さんの挨拶の後、
部は市川右近さんと造形芸大の徳山理事長の対談でした。
劇場が建つ前に行われていた歌舞伎の集中授業のお話、
そして初代理事長と猿翁の、劇場を立てるまでのやりとりなど
興味深く聞かせていただきました。
それにしても、こんな劇場が良くも出来たものですね。
開場の年前から開設準備室長として関わらせていただき、
開場後、3年間企画運営室長を勤めていた自分のことなど
すっかり忘れて、客観的に話を聞いていました。
初代の詳直理事長と猿翁の出会いが、
奇跡を生んだとしか思えない快挙だと思います。

第2部は脚本家として、
演出家として三代目猿之助(猿翁)を支えてきた石川耕士さんの
「三代目市川猿之助の仕事」というお話でした。
23歳にして3代目を継いで、
異端児とかサーカスとか揶揄されながら、
分かりやすくて、面白い歌舞伎を復活させ、
ついにはスーパー歌舞伎を生み出した功績の数々が紹介されました。
現在歌舞伎が元気なのは、
全く猿翁のお陰と思わせるような説得力ある講演でした。
命を縮めそうなハードスケジュールを黙々とこなし、
松竹を生き返らせたといってもいい奮闘振りが良く分かりました。

そして、最後に登場したのが4代目市川猿之助さん。
春秋座の芸術監督でもある猿之助さんは、
すっかりフランチャイズでの舞台といった感じで、
ジーパン姿で登場するやエスプリの効いた話を展開し、
大いに会場を沸かせました。
「3代目と私は冒険家というところは似ていますが、
方やまじめで芝居一筋、お酒も飲みませんし、集団稽古大好き。
一方の私はいろいろ趣味もありますし、酒も飲みます。
決定的な違いは集団稽古が嫌いということ。
これは役者に喜ばれています」などと会場を笑わせていました。
それにしても、アニメ人気に注目したり、
コンピューターの便利さを使いこなして
『ワンピース』のような作品を上演、
若い歌舞伎ファンを増やしている猿之助さんの功績は大きいですね。

最後に抽選会があり、猿翁の3巻一組の豪華写真集が3名の方に当たりました。
余りにも重いため当選者は舞台を降りるのに苦労していたほどです。
猿翁が大学に寄贈した膨大な資料をいい状態に保つには
お金がかかるということで、募金も猿之助さん特有の呼びかけで行われました。

私も気持ちだけでもと募金箱にお札を入れようとしたところ
募金箱からお札が溢れ、入れるのに苦労しました。
無料(抽選)で聞けたこのフォーラムに対する
感謝の気持ちが反映されていたように思います。
関係者の方々,出演された皆様、お疲れ様でした。

    IMG_0394
(達人の館 代表   橘市郎)

昨日、パソコンを開いていたら
「栄光のグループサウンズ大全集―CD10巻」の
広告が盛大に載っていました。
ザ・タイガース、ザ・スパイダース、ザ・ワイルドワンズ、
ザ・テンプターズ、ジャッキー吉川とブルーコメッツ、
ザ・ジャガーズ、寺内タケシとバニーズなど
33
組のグループの曲が200曲入っている、
文字通り大全集が発売されるそうです。

     
          写真:株式会社ユーキャン HPより

「そうです」というのは人事のようですが、

実は20日に私は東京ステーションホテル内の
喫茶店で取材を受けていました。
突然、東音のIさんから電話をいただき、
この大全集を発売するに当たって、グループサウンズ全盛の時に、
日劇ウエスタン・カーニバル」の舞台監督をしていた方に、
舞台裏の話を聞きたいということでした。

確かにその時代、私は20代後半で舞台監督をしておりました。
ウエスタン・カーニバルを担当していたこともまぎれもない事実です。
しかし、それはもう45年以上も前のことです。
ウエスタン・カーニバルを立ち上げた
名演出家の山本紫朗先生は亡くなっているし、
後継者の松尾准光さんも体調がすぐれないとなると
私なのかなと思いつつ、その依頼を引き受けたのです。

「それにしても、京都在住の私から話を聞くということは
京都までいらしてくださるんですか?」と訊ねると
「新幹線代を用意しますので、
出来たら東京でお話を伺えませんでしょうか?」ということです。
I
さんは取材の謝礼の件まで丁寧にお話してくれました。
その誠意ある応対に私は応えることにしました。
45年前の記憶を整理して東京に出かけたのですが、
喫茶店に着くとⅠさんの他にライターのNさん、
発売元のMさんもいらっしゃいます。
これは大ごとだぞと思いながら約時間取材を受けました。

あの時、10月頃発売と聞いたような気がしていましたが、
もう完成したのですね。インタビューの内容はここでは書きませんが、
日本の洋楽史上、センセーショナルな話題を巻き起こした
グループサウンズをこのような全集にまとめられた熱意に敬意を示し、
感謝をしたいと思います。
あの頃、青春を発散していらしたご婦人も
今や60歳を越えられているはずです?
本当に「光陰矢の如し」ですね。

(達人の館 代表  橘市郎)

10日に春秋座で行われた
レ・フレール スペシャルコンサート」は
ほぼ満員の盛況でした。
800人近い人が入ったので、反響板のない春秋座で
生のピアノの音がきちんと伝わるかどうか
心配したスタッフもいましたが、
全く問題ありませんでした。

むしろ繊細な音が、
ベーゼンドルファー独特の重厚さを引き立たせていました。
お客様からも生音の素晴らしさを賞賛して頂きました。
もちろん教会のような響きはありませんが、
春秋座の音響の良さが再確認されてうれしかったです。

京都のお客様はシビアと言うか、冷たいと言うか
余り盛り上がらないと言われていますが、
この日ばかりは違っていました。
ブギウギのリズムが聴こえてくると
手拍子が巻き起こり会場全体がひとつになりました。
お二人が喋り始めると一息つくのですが、
乱れた呼吸を整わせつつ、
もそもそと喋る朴訥な感じがたまりません。
お互いが相手を立てようと気遣っている様子が伝わってきました。

静かでメロデイックな曲や
沖縄らしい旋律もアクセントになっていました。
レ・フレールの魅力はクラシックとしても
充分高いクオリテイーを持ちながら、
楽しく聴けるという事でしょう。
10代から80代のお客さまが一緒に盛り上がれるということは
素晴らしいことだと思います。

レ・フレールのお二人とスタッフのみなさま、
開場15周年に相応しい演奏をありがとうございました。
そして会場をいっぱいにしてくださったお客様、感謝、感謝です。
これからも春秋座と達人の館をよろしくお願いいたします。

(春秋座顧問プロデューサー・達人の館代表 橘市郎)

昨日、春秋座で 「鼓童」の演奏会を聴いてきました。
春秋座でぜひ「鼓童」の演奏会をやりたいと思った時、
間に入ってくれたのが「達人の館」の
ホームページを管理してくれている佐藤和佳子さんでした。
ご主人が「鼓童」の主要メンバーだったんです。
プローデューサーの西村さんを紹介していただき、
話はとんとん拍子に決まりました。
それ以来毎年のように春秋座で公演が行われています。

玉三郎さんが演出を担当されるようになった
最初の年が第1回だったと思います。
従来の鼓童とは一風変わった内容が、賛否両論の感想を産みました。
何かを変えようとする時、いろいろ抵抗があるものです
が、
それこそが変革の宿命なのです。
久しぶりに接した昨日の「鼓童」は
見事に玉三郎さんの意図が生かされていました。

パワフルな音でぐいぐい人を引き付けていた旧来のスタイルから、
強弱や間を大切にして
変化をつけるという試みが結実したように思えました。
視覚的にも照明や衣装で
いくつか雰囲気を変える工夫がなされていました。
ここぞというポイントに男性の肉体美を見せるなど、
かえって効果を挙げていたと思います。
銅鑼やティムパニーといった楽器との融合も新鮮でした。
ピアニッシモからフォルティシモという盛り上げも有効でした。

和太鼓を中心とした演奏は何と言っても音楽なのです。
ただ力ずくで太鼓をたたくのではなく、
時には作曲家の譜面を基に演奏するといったことも必要です。
そういった意味で意欲的な姿勢もうかがえました。
ただ、欲を言えば繰り返しが多く、
あと全体で10分短くすれば、
もっとテンポが出たのではと思いました。

休憩時間に、ばったりプロデューサーの西村さんと出会いましたので、
成果を褒めるのと同時に
「東京オリンピックのオープニングは鼓童がぴったりですね」
というと
「われわれが売り込んでも駄目なので、声高にご喧伝ください」
と言われました。賛成な方は、折りあるごとに
「東京オリンピックのオープニングは鼓童がいい」
と言ってあげましょう。

さあ、いよいよ今週末は
「レ・フレール スペシャルコンサート」
同じ打楽器でも随分違いますが、
盛り上がることにかけては負けません。
20
枚程度の残券、早い者勝ちですよ!
レフレール















(達人の館 代表 橘市郎)  

↑このページのトップヘ