一瞬の静寂

音楽・演劇プロデューサー・橘市郎のブログ。日々思ったことを綴っています。 東宝(株)と契約し、1973年にプロデユーサーに。1981年独立後は、企画制作会社アンクルの代表をつとめ、中野サンプラザからの委嘱で「ロック・ミュージカルハムレット」「原宿物語」「イダマンテ」を、会社解散後は「ファンタステイックス」「ブルーストッキング レデイース」などのミュージカルを制作。 2001年京都芸術劇場の初代企画運営室長。

2017年01月

『江藤ゆう子 昭和を歌う―総集編―』で
お世話になったプランツ・コーポレーションの
会長、武部宏さんに「カントリー・ウエスタン」の
コンサートについてメールでご相談したところ、
すぐお電話をいただきました。
「ジャンバラヤ」「ローハイド」「テネシー・ワルツ」
「ローズ・ガーデン」「ジャニー・ギター」「OK牧場の決闘」
「愛しのクレメンタイン」「帰らざる河」など
懐かしい曲をいっぱい演奏するので、
その年代に詳しい武部さんにご相談したのです。

「興行的にどうですかねえ?」などと話しているうちに、
「ところで、橘さんは昭和の歌で
ベスト5をあげるとしたら何を選びますか?」と訊かれました。
突然だったので「ひばりさんの歌なら『愛燦燦』、
石川さゆりだったら『津軽海峡冬景色』、
五木ひろしだったら『夜空』、、、、、。待ってください。
ただ5曲と言われても難しいですよ。時代やジャンルも違うし」
などと話しているうちに
「どうでしょう。私がやっている『武部宏の日曜とーく』と
言う番組に出てくれませんか?」と誘われました。

この番組は20年以上続いている名物番組なのです。
「光栄ですがいつでしょう?」と訊くと
「今度の日曜日29日、午前6時50分に
KBSラジオのスタジオに来てください」とのこと。
訊かれたことに答えればいいとはいうものの、
余りの速さに驚きました。
でも、放送の世界はこういうものかもしれませんね。
「また、直前に連絡しますのでよろしく」と言って
武部さんは電話を切られました。
80
歳を超えていられるのに、何という活舌!
今でも自転車で通勤されているそうですが、
恐るべきパワーを感じました。

と言うわけで29日(日)午前7時からの
『武部宏の日曜とーく』に出演いたします。
朝早くて大変だとは思いますが、ぜひ訊いてやってください。
内容は武部さんのみが知っています。
私もどういう展開になるのか全くわかりません。
出たとこ勝負といったところ。
後で感想をいただければうれしいです。

(達人の館 代表 橘市郎)

1月18日付の朝日新聞「オピニオン&フォーラム」欄に、
天皇陛下退位のルールについて
元・最高裁判事、東北大学名誉教授の藤田宙靖さんが
受けたインタビュー記事が載りました。

実に筋が通った論理と温かい人間性に感動し、
思わず拍手をしてしまいました。
私が、思っていてもなかなか言い表せないことを
整理して代弁してもらったような気がしたのです。
さすが藤田宙靖さん! といった感じでした。

私がこんなに気安く書くのにはわけがあります。
藤田さんは私と同じ高校の出身で同級生。
しかも、いっしょにオペラをやった間柄なのです。
大森にあったご自宅にも何度か遊びに行かせてもらっていました。
もちろん藤田さんは秀才でしたが、
威張るところが少しもなく、
グループの一員としていつも溶け込んでいました。

高校1年の時は「フィガロの結婚」のバジリオを、
2年生の時は「魔笛」のパパゲーノを演じ、
客席の笑いを一身に集めていたのです。

当時は「たちばな!」、「ふじた!」と
お互いに呼び捨てで付き合っていました。
彼はピアノも習っていて、
ある塾の発表会ではいつもトリを努めるほどの腕前で、
一時は芸大に行くか東大に行くか迷っていたほどです。
発表会といっても有楽町の読売ホールでやる位レベルが高いものでした。
もし芸大にいっていたらピアニストとしても
一流になっていたと思います。
また藤田さんは、東北大学法学部の教授をしていた時、
能楽部の部長もしていました。
「法学部と農学部の部長を兼ねるなんて器用だね」と言ったら
「能楽部だよ」と笑われたのを思い出します。

やがて、彼は法律家として地位を築いていくのですが、
彼の中には芸術家としての素地が脈々として流れていたんですね。
人情の機微がわかる裁判官として彼は最高裁判事となりました。
同級生だからこそ知っている彼の側面を、ぜひ紹介したかったのです。

今回のインタビューを読んでいて、
バランス感覚を持った素晴らしい人
という評価を改めてするとともに、
いがぐり頭の少年時代の屈託のない笑顔を思い出しました。
藤田さん、天皇陛下もおっしゃったように、
あなたのような人こそ、まだまだご意見番でいていただきたいと思います。
この時代だからこそ、
世の中があなたのような人を必要としているような気がしていますので。

(達人の館 代表 橘市郎)

ブログの更新が遅れて申し訳ありません。
実はこの3月いっぱいで、
春秋座顧問プロデューサーの契約が満了になります。
2000年~2004年、2009年~2017年と合わせて12年間、
京都造形芸術大学には大変お世話になりました。
現在の自宅は大学所有のマンションを借りているため、
契約満了に伴って出なければなりません。
急遽、西京区の方に引越しすることに決め
今月の13日、契約を済ませました。

昔と違って、インターネットの移動、
電話の移動など複雑になっていて、
引越し日が決まっても事前にやることが多く
ばたばたしております。
今度は自宅と事務所を兼ねるため一層面倒なのです。
私は結婚してから今度で9回目の引越しになり、
引越し慣れしている積もりでしたが、
年齢のこともあり予想外に重圧を感じております。
引越しのプロにお任せしているものの
18日の移動が終わるまでは落ち着かないでしょうね。

その間ヴェルディ・サロン・ライヴもあるし、
日に行われる「ソプラノ 川越塔子 リサイタル」の準備もあります。
でも何とか支障のないようにいたしますので
よろしくお願いいたします。

そこでお知らせですが、
川越塔子さんのコンサートの前売り日が3月日のため、
電話、FAXの番号が変わります。
そこで、現在の番号が使えるうちに、
ブログを見ていただいているお客様には
FAX
での先行予約を受け付けることにいたしました。
今回はキャパ200の小ホール(音響の素晴らしいホールです)で
自由席となりますので、チケットが取りにくいことが予想されます。

前回のリサイタルで川越塔子さんの歌唱に感動された方は、
ぜひこの先行予約をご利用ください。
といっても発売日に枚もないというわけには行きませんので、
今回の対応枚数を100枚までとさせていただきます。

ご希望の方は、10日までに
お名前、住所、電話番号、枚数を書いてFAXを送信ください。

FAX075-708-8934

折り返し確認のお電話をさせていただきます。

チケットは一般発売日以降郵送させていただきます。
代金はチケットが到着後、同封の振込用紙を使ってお振込みください。
お待ちしております。

詳しくは開催要項をご参照ください。


橘市郎
(
達人の館 代表)


明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
政局にしても、経済にしてもどうなるか
全く予測できない2017年ですが、
何とか平安な1年になるよう願っています。

私はキリスト教徒でもイスラム教徒でも仏教徒でもありません。
でも、人間にはどうにもならない力を持った
神様の存在は信じています。
大体、宇宙を創造したり、
多様な生物をこの世に生かしている支配者とは
どういう存在なのでしょう。
それを神様と言うのであれば神様を信じないわけには行きません。
と言うわけで、今年の三が日は3つの神社にお参りしました。

元旦が下賀茂神社、2日が上賀茂神社、3日が平安神宮でした。
一見浮気をしているようですが、
神様はそれを咎めたりはしないはずです。
神様はそんな小さな了見ではなく、
謙虚に無事だった1年に対してお礼を言い、
来るべき1年の無事をお願いするのを
優しく見つめてくれるに違いありません。

人間にはどうすることも出来ない運命の平安を祈るのは、
どこの神社でも、どこのお寺でもかまわない。
祈ると言うことは謙虚になるということだと思います。
上賀茂神社の帰りには、寂れた上賀茂稲荷と
この付近で最も古いと言う太田神社にもお参りしました。
ほとんど訪れる人もいないところにも神様はいらっしゃるのです。
神様には姿かたちがないのにいらっしゃると言うのは変ですが、
その辺のあいまいな存在こそ神様なのでしょう。
何か清々しく感じる三が日でした。

さて、
ヴェルディ サロン・ライヴ

1、2月のプログラムが、この22日から始まります。
各日17:00~
1月22日(日)バリトンの井上大聞さん(伴奏・塚田尚吾さん)。
1月29日(日)はソプラノの講殿由紀奈さん(伴奏・坂口航大さん)
2月5日(日)はピアノの塚田尚吾さんと志賀俊亮さんのジョイント
2月12日(日)がピアノの坂口航大さん 
 (助演・葛城裕也(Ob)、辻さゆり(Cl)、赤土仁菜(Fg)、斉藤日菜子(Hr))

と続きます。
バラエティに富んだ演奏をどうぞお楽しみください。
ヴェルディでお待ちしています。

(達人の館 代表 橘市郎)

ヴェルディ

↑このページのトップヘ