一瞬の静寂

音楽・演劇プロデューサー・橘市郎のブログ。日々思ったことを綴っています。 東宝(株)と契約し、1973年にプロデユーサーに。1981年独立後は、企画制作会社アンクルの代表をつとめ、中野サンプラザからの委嘱で「ロック・ミュージカルハムレット」「原宿物語」「イダマンテ」を、会社解散後は「ファンタステイックス」「ブルーストッキング レデイース」などのミュージカルを制作。 2001年京都芸術劇場の初代企画運営室長。

2018年11月

11月25日はヴェルディ・サロン・ライヴの本番があり、
フルートの松村裕絵さん、ピアノの中村友美さん、
パーカションのtanayanさんが出演してくださいました。
めずらしい取り合わせでどうなるものかと思っていましたが、
想像を超える成果で感動しました。

まず松村さんの対応力にびっくりで、
クラシック畑の人でありながら リズムにしても
曲調にしても全く硬さがなかったのです。
ピアノの中村さんにしても、むしろポプラー音楽を楽しんでいる様に見えました。
お二人は音楽を文字通り「音を楽しむ」ものと思っているようでした。
一方のtanayanさんは遠慮がちに、クラシック畑のお二人を立て、
ご自分を主張しているように見えました。

私はこのジョイントがちょうどいい形で、
新しい音楽を作り出していることに満足していました。
良くクラシックとポピュラーと言ういい方をしますが、
これからの音楽はそういうジャンルのこだわりを越えて、
「いい物はいい」と言う感覚で聴きたいものだと思いました。  

                    *

11月29日は朝から東京に行きます。
これは株式会社パトスという人材教育と 派遣をしている会社の
創立30周年をお祝いするためです。
パトスの社長の壱岐空美子さんは
日産ミスフェアレディーの出身で教え子の一人でした。
永い年月が経っているにも拘らず、私を招待してくれました。
もちろん仕事の上でずっと縁もありましたが、
何かとこちらの方がお世話になっているのにも拘わらず、ありがたいことです。
壱岐さんのきめ細かい思いやりが事業の成功に繋がっていると思います。

一口に30年社長を続けられる事は容易なことではありません。
ましてや小さな会社からここまで発展されたのは
人徳のお陰だと思っています。
これからも益々会社の存在が知られ、
発展されることを祈りつつ駆けつけるつもりです。

(一般社団法人 達人の館 代表 橘市郎)

今週最もショックだったのは、元日産の社長ゴーン氏の逮捕でした。
私は50年前、縁あって日産自動車ミスフェアーレディーの
教育を20年間やらせていただきました。
教育といってもナレーターとしての教育で、
ギャラリーでの新車説明やモーターショーでの
立ち居振る舞いを教えることが任務でした。

この頃はゴーン氏は関係なく、日本人の社長が経営を担い、
トヨタ自動車といいライバル関係でした。
優秀な社員が大勢いて、芸能界とは違う、いい意味での
堅さを感じさせる世界が私には刺激を与えてくれたのです。
私はそんな日産が大好きで、買い替える車は全て日産車でした。

ミスフェアーレディーたちも優秀で、
今もいろいろな業界で活躍している人たちが沢山います。
考えてみると私の原点は、東宝の日劇と日産自動車だったとも言えます。

その日産が経営不振から、ゴーン氏に引き継がれて立ち直ったかに見えたのに。
世の中、落とし穴があるものですね。
でも、あの頃の社員とミスフェアーレディーのことは、一生忘れません。
日も早く日産自動車が健全な会社に戻られることを祈っています。


                      *

1125日(日)のヴェルディ・サロン・ライヴは
前回ご好評をいただいたフルートの松村裕絵さんとピアノの中村友美さん、
それにパーカッションのtanayanさんの登場です。
少し変わった取り合わせがどんな成果を挙げてくれるか、とても楽しみですね。

ピアノの中村さんがこの後、外国に留学されるため、
このコンビはしばらく聴けなくなくなります。
どうぞこの機会にぜひお越しください。お待ちしています。

(一般社団法人 達人の館  代表 橘市郎)

 

1110日(土)は春秋座で開催された
「一路真輝&京フィル シャイニングコンサートIN春秋座」に行って来ました。
前から私が一路真輝さんを高く評価しているのを知っている
プロデューサーの館野さんが招待してくれたのです。
チケットセンターの関野さんも良い席を用意してくれたので、
感激して行って来ました。
我々スタッフは、一般のお客様には売っていない
鳥屋口横の席で見ることが多いので貴重な体験なのです。

一路真輝さんは歌はもちろん、トークも無駄がなく、
相変わらずエンターティナーとして
申し分のないステージを披露してくれました。
宝塚の元男役のイメージでなく、
一人の女性歌手として聴くことができたのは貴重でした。
うれしかったのは、この日の指揮者が春秋座オペラで
「カルメン」や「ラ・ボエーム」を指揮してくれた
牧村邦彦さんだったことです。

うかつにも牧村さんが出演していることに気付かなかったのです。
牧村さんはインテンポではなく、波打つように指揮され、
オーケストラを歌わせていました。
やはりオペラを振りなれているクラシックの指揮者ですね。
的確な解説も分かりやすく、軽妙で感心しました。

終演後、楽屋に行き再会を果たしたのですが、
私がやせた原因も説明出来て良かったと思います。
これからも、こういう方たちが一路真輝さんのような
ポップス界の歌手とも、どんどん交流され、お
互いを高めていくことが望ましいと思いました。
ジャンルにこだわらず、良いものは良いというおおらかさが必要なのです。
今日も気分は最高でした。

 * 

今月18日(日)から、カフェ・ヴェルディでのライヴが再開されます。
出演は初登場のソプラノ歌手・木村美穂さんと小川紗奈さん。
お二人は共にプリマドンナ小濱妙美さんに師事された有望なソプラノです。
ピアノ伴奏は石澤久美子さん。
これからの活躍が約束されているフレッシュな演奏は楽しみです。
どうぞ、おいしいコーヒーをいただきながら、秋の一夜をお過ごしください。

(一般社団法人 達人の館  代表 橘市郎)

春秋座オペラ公演は11月34日に本番を迎へ、無事終了いたしました。
前回のブログで舞台稽古が始まるとお伝えしたのに、
あっという間に公演が終了した感じです。
連日通っていた劇場ともお別れと思うと、一抹の寂しさを感じます。
稽古期間が長ければ長いほど、
一緒に苦労して来た仲間と別れることは辛いものです。
まるで身体全体が抜け殻のようになっているのは、
私ばかりではないと思います。
今日はもうゆっくり出来るという開放感と共に、
あの仲間たちは今どうしているだろうと考えたりしています。

*

公演は斬新で音楽的なレベルも高いものでした。
プッチーニの叙情的なメロディーが、今も耳に響いています。
蝶々さんの可憐で、哀しい姿が目に焼きついています。
川越塔子さんと藤井泰子さんのタイトルロールは
それぞれの持ち味を発揮して圧巻でした。

井藤航太さんの若々しい歌声、
ピサピアさんのイタリア人特有の高音、
それに刺激されるようにどのキャストも素晴らしい歌声を披露してくれました。

演出も装置も照明も春秋座の舞台を効果的に見せてくれました。
指揮も手堅く、全体を仕切ってくれた
ミラマーレ・オペラの統率は完璧だったと思います。

もちろん劇場側のスタッフも良くやってくれました。
今回は私が病み上がりで色々とご迷惑をかけましたが、
皆様に助けられた感じです。

*

アンケートの結果も大変、お褒めをいただいたようです。
遠方からのお客様をはじめ京都のお客様、
今後とも春秋座オペラをどうぞよろしくお願い致します。
関係者の皆様、長丁場をお疲れ様でした。

(一般社団法人  達人の館  代表 橘市郎)


今週は歌劇「蝶々夫人」の春秋座での稽古が10時から21時まであり、
1時間半の通いの時間を考えるとブログを書いているゆとりがありません。
若い人たちはパソコンを持ち歩き、
少しの時間でもキイボードに向かっていますが、
私にはそういった器用さがないのです。
ゆっくりと机に向かっていないと物が書けないと言うのは、
この時代には通用しないかもしれませんね。
不定期になりますがお許しください。

さて、そのオペラですが、大阪での稽古が終わり、
いよいよ皆さんが春秋座に集結しました。
懐かしい顔がだんだん増えてきて、初日が近くなった緊迫感が漂っています。
お陰様で順調に仕上がっていく課程が見えて来ました。
合唱、オーケストラ、スタッフが顔を合わせる劇場での稽古は、
いよいよ開幕が近いことを思わせます。
無事初日が開き、お客さまの温かい拍手が
沢山いただけるような成果を上げなければと、
改めて見の引き締まる思いをしています。


1031日には、中央競馬のイタリア人騎手・デムーロさん兄弟が
オケ合わせを見学し、劇場の機構も見てくれました。
これは共催のイタリア文化会館ー大阪を通じての事だったようです。
もちろん、タイトルロールの藤井泰子さんや
ピサピアさんが出演されるためですが、
藤井さんのイタリアのお宅と
デムーロさんの実家が近かったこともあったようです。
思わぬ訪問にキャストもスタッフも盛り上がりました。
もしかすると私が一番喜んだかも知れません。
それにしても「競馬とオペラ」は私の大好きな2つだけに、
何かいい事の前兆のような気がしております。
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(一般社団法人 達人の館 代表 橘市郎)

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