一瞬の静寂

音楽・演劇プロデューサー・橘市郎のブログ。日々思ったことを綴っています。 東宝(株)と契約し、1973年にプロデユーサーに。1981年独立後は、企画制作会社アンクルの代表をつとめ、中野サンプラザからの委嘱で「ロック・ミュージカルハムレット」「原宿物語」「イダマンテ」を、会社解散後は「ファンタステイックス」「ブルーストッキング レデイース」などのミュージカルを制作。 2001年京都芸術劇場の初代企画運営室長。

2019年02月

立川志の輔師匠が主演している映画「ねことじいちゃん」を見てきました。
落語家が主演すると言えば、お笑いを連想しますが、
これは真面目も真面目なドラマ。
妻に先立たれた初老の父親の生き様がほのぼのと描かれています。
もちろん監督が猫好きなので、
猫がドラマを進めうる上でうまく使われていますが、
この父親が東京に住む息子の誘いを断って、
不便な島の生活を続けるくだりは身につまされました。

私が3人の娘に、東京に帰るのを薦められながら断っていることと、
師匠演じる「じいちゃん」が出した結論がだぶって複雑でした。
客席はほとんどが年配の方たちでしたがかなりの入りでした。
お年寄りに人生をどう生きるか考えさせる映画だと思います。
それにしても志の輔師匠の主人公はぴったり。
落語でその演技力は凄いと思っていましたが、
役者としても才能を発揮されていたのに感銘を受けました。


今月の9日から25日まで長女が我が家に滞在していました。
勤め先の大阪支店での仕事があり、東京から出張してきたのです。
毎日、片道1時間半以上かけて大阪まで通っていましたが、
ホテル泊まりより気楽だったようです。
休みには母親と観光に行ったり、
私の企画するものを見たりしていました。
確かに若い人がいることで、活気が出てきたり、
教えられることが沢山ありました。

長女が東京に戻った後は穴があいたような気もします。
他の2人の娘も長女がいることで、メールでのやり取りが活発でした。
でも、おたがいに26日からは元の生活に戻ります。
次女も、3女もいつかやってくるのを楽しみに、
元気で仕事をやっていこうと改めて思いました。
家内もいろいろ大変だったと思いますが、楽しそうな17日間でした。

(一般社団法人 達人の館 代表 橘市郎)

2月17日(日)、京都コンサート・ホール(小)で行われた
恒例の「花コンサート」に行って来ました。
このコンサートは下野好子さんが無料で主催されていて、
29回続いているものです。

数年前に亡くなられたご主人の遺志を継ぐ形で
音楽の仲間たちが集まり毎年行われています。
下野さんの志に心打たれ、
私は今年も妻と2人で聴かせていただくことにしました。

早めに家を出て会場近くのロイヤルホストで昼食をと思い、地下鉄の階段を上がると、
なんと京都マラソンに参加したランナーが通行中ではありませんか。
私たちは地下に戻り向かい側に渡って、やっと食事をいたしました。
京都マラソンがこの日であることを
すっかり失念していた私たちが迂闊だったのですが、
お陰様で1等席でマラソンを見ながら食事が出来ました。

大勢の市民が楽しみながら、和気藹々と走る姿は平和そのものでした。
この日はコンサートとマラソンの両方を味わえた幸せな1日となりました。

* 

朝日新聞を取っていらっしゃる方はご存知かもしれませんが、
「政治断簡」と言うコラムがあり、
編集委員の高橋純子さんという方が毎週月曜日の朝刊で
毒舌を振るっていらっしゃいます。
何しろ面白いタッチで、こんな新聞記者がいるんだとびっくりしてしまいます。
騙されたと思って、一度ぜひお読みになるといいと思います。

オペラ歌手の川越塔子さんが京都の春秋座に初めて出演された時に、
東大法学部の同級生という朝日新聞の女性記者を紹介されたことがありますが、
この方も確か高橋さんとおっしゃっていました。
まさか同一人物ではないでしょうね。
川越さんと年齢が近そうなお写真を見て、妄想に耽ったりもしています。
何しろもう10年も前のことなのですみません。
まあ、先ずはコラムを読んでみてください。

(一般社団法人 達人の館 代表 橘市郎)

 

 

このところいじめが原因の事件が毎日のように報じられています。
日本人はいつからこういうことに悩まされるようになってしまったのでしょう。
私の小学校時代はもう70年以上前になりますが、実に仲のいいクラスでした。
東京の京華小学校といって中央区八丁堀にあった公立小学校で、
担任の小松周一先生は6年間同じだったのです。
生徒たちは一つの家族のように温かく、
先生の人柄は生徒に染み渡っていました。
それが証拠に私たちの同窓会は今でも続き、
年1回の集まりには10人くらいの老人がやって来ます。
京都に引越した私は、ここ2、3年は出席出来ずにいますが、
必ず毎回、案内や集合写真が送られて来ます。
もちろん6年間同じ担任などは、今は考えられませんし、
偏りを心配される方もいることでしょう。
でもあの幼友達は本当に温かかったと思います。
要は先生の人柄なのでしょうか。
今年は何とか私も東京に行って、あの仲間たちに会いたいものです。

* 

少し先の話になりますが、今年の春秋座オペラは10周年ということもあり、
趣を変えてこれまで春秋座オペラに貢献してくれた出演者で
ガラコンサートをやることになりました。
その中の一人、テノールの笛田博昭さんはその後進境著しく、
今年のNHKニューイヤー・オペラ・コンサートでは
抜群の歌唱を披露してくれました。
この笛田さんを指導してくれたのが、
往年の名テナー五十嵐喜芳さんのお嬢さんであり、
昭和音楽大学教授の五十嵐麻利江さんです。
麻利江さんは笛田さんのスケールの大きさに
イタリア人的なテノールとよく言っていました。
現在売れっ子になった笛田さんには春秋座出演が難しいと思われましたが、
麻利江さんと笛田さんのご好意で実現いたしました。
あの声が春秋座で聴けると思うと今からワクワクしてしまいます。
他にもお馴染みの素晴らしい歌手たちの出演が決まってきています。
本番日は今年の9月21(土)、ぜひ楽しみにしていて欲しいと思います。

(一般社団法人 達人の館 代表 橘市郎)

2月1日、東京に行って来ました。
日本文化藝術財団の諸々の授与式に出席する為です。
25周年と言うこともあり、
これまでで一番多くのお客様がお見えになりました。
年々規模が大きくなって来たようで、
関係者の執念が花開いてきた感じがいたします。
25年前にはまだパソコンがこれほど普及していませんでした。
受賞された方の多くが手書きや実技の素晴らしさを
評価されていたように思います。
しかし現在はパソコンを駆使した作品が主流になって来たようです。
時代が完全に変わったのですね。
私のように80歳近い人間がだんだん取り残されていくと感じた授与式でした。
受賞者も関係者もどんどん若くなってゆくエネルギーが
これからの財団を支えていくのでしょう。
「時代は変わる」を実感した1日でした。


国会では政府が発表してきた
いろいろな数字が偽装だったことが問題になっています。
確かに生活が豊かになったり、
労働条件が向上することは誰もが願っています。
しかし、それが偽装されていたものだったとしたら詐欺のようなものです。
「騙されていた」と言うのが事実だとしたら、
保身のために嘘をついていたことが本当だとしたら
許されるものではありません。

今は世界中が混乱しています。
良く考えてみると自分さえよければ
と言う発想が根本にあるからでしょう。
一方、善良ないい人が沢山いることも事実です。
一生懸命素朴に働き、常に他人に優しいひと。
そういう人が世界中に存在していることも事実です。
どこの国の人ではなく、
善意の人同士が手を取り合う世界にならないものでしょうか?
甘ちょろいと言われようが、はかない一生、そう思い続けたいと思います。

(一般社団法人 達人の館 代表 橘市郎)

このころテレビを賑わすニュースが多いですね。
まずテニスでは大坂選手が世界ランキング位となる大活躍。
少し前までは名前も知られていなかった選手が
あっという間に大スターになりました。
正にシンデレラです。何も飾らない素直な人間性、
そして少しでも自分を成長させたいと言う前向きさが、
世界中の人々を感動させました。
もちろん努力と精進でここまで来られたのでしょうが、
才能があったのも確かです。
彼女は若いのでこれからどのように大成していくかとても楽しみですね。

 * 

大相撲初場所の優勝力士は平幕の玉鷲でした。
休場を1度もせず30歳を越えてからの初優勝は正に精進の賜物です。
誰も予想していなかった押し相撲一筋の苦労人が優勝したことで、
いろいろなエピソードが生れました。
優勝が決まった日に第2子誕生はまるで嘘のようなめでたい話でした。
お姉さんが東大に通っていたことなども、
この優勝がなければ分からなかったかったことでしょう。

いろいろ荒れまくった初場所でしたが、
忘れられないドラマチックなものでした。
私はいろいろな意味でいい結末と思っています。
確かに貴景勝の千秋楽での相撲は不甲斐なかったと言えますが、
彼にとってもこのまま大関にならなくて良かったような気がします。
スポーツの本質はただ勝ち負けではないからです。

* 

絶大な人気を誇っていた「嵐」が
来年いっぱいで活動を休止することになりました。
彼らが突然このような発表をしたことは
ファンにとっては相当ショックだったようです。
しかし5人揃って会見した彼らの話や
記者の質問に答える姿を見ていると理路整然としているし、
さわやかなので皆さんが納得したのではないでしょうか。

私は彼らがしっかりしているので、
彼らに対する認識が甘かったことに恥ずかしさを感じたほどです。
アイドルと言う言葉とは裏腹に、5人は30歳過ぎた立派な大人でした。
彼らが良く話し合い、一つの結論を出したのですから
温かく理解してあげないといけないと思いました。
人それぞれの人生、一人ひとりがじっくり考えて
歩んでいくことが大切だと思います。
それにしても5人のメンバーは、
頭のいい大した人物だと感心させられた記者会見でした。

(一般社団法人 達人の館 代表 橘市郎)

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