一瞬の静寂

音楽・演劇プロデューサー・橘市郎のブログ。日々思ったことを綴っています。 東宝(株)と契約し、1973年にプロデユーサーに。1981年独立後は、企画制作会社アンクルの代表をつとめ、中野サンプラザからの委嘱で「ロック・ミュージカルハムレット」「原宿物語」「イダマンテ」を、会社解散後は「ファンタステイックス」「ブルーストッキング レデイース」などのミュージカルを制作。 2001年京都芸術劇場の初代企画運営室長。

2019年04月

今日が平成最後の日となりました。
あっという間の31年間のように思います。
私が平成元年の時は47歳ですから、
三代目市川猿之助さんにミュージカル「イダマンテ」の演出を依頼し、
近藤真彦さんはじめ、異色の方たちに出演を了承していただいた年です。
スタッフも脚本のジェームス三木、作詞のなかにし礼、音楽の甲斐正人、
舞台装置の朝倉摂と言った錚々たる方たちが協力して下さいました。
私がもっとも元気だった時と言っていいと思います。
その平成が今日で終わると言うことに特別の感慨を覚えます。
平成よ、ありがとう と言わずにはいられない進境です。

人は誰でも老いて行きますが、
特に私の場合「時代と共に」と言う気がしています。
いろいろなことにけじめをつけて行くべきタイミングを感じています。
明日からは令和。
これからどういう人生を生きてゆくべきかをじっくり考えたいと思います。

* 

少し時間が経ちましたが、4月25日に作曲家の甲斐正人さんに招待された
ミュージカル「ハル」を見て来ました。
脚本・作詞の高橋亜子さんも前からお付き合いのある方なので、
甲斐さんの音楽ともども大変、楽しみでした。
さすがにこのコンビはお互いを良く理解し合い、息がぴったりと言う感じでした。
甲斐さんの音楽は緻密で、複雑な脚本を
うまくミュージカル化していたと思います。
耳になじむような単純な旋律を期待していた人にとっては、
やや難しい面もありましたが、
オリジナリティを考えた時にはやむを得なかったと思います。
甲斐さんが流行作家ではなく、本格派の作曲家である証拠でもあるのです。

ハルを励まし、ボクシングの世界に引き込んだ女性・真由の存在が実在なのか、
幻影なのかが少し分かり難くかったのは私だけでしょうか。
それにしても客席は女性ファンで満員。
興行としても盛況だった事にほっとしました。
甲斐さん、本当にありがとう。
今後の益々のご活躍を祈っています。

(一般社団法人 達人の館  代表 橘市郎)

地方選挙が行われ、沖縄や大阪で
自民党が苦い思いをする結果が出ました。
長い間、強を誇っていた一角が崩れてきた兆候を感じます。
これを機会に世の中がいい方向に向かっていくことを期待します。
「歴史は繰り返す」と言われますが
誰もが長く権力の座についているとそれを守ろうとして、
マイナス要素が出てくるように思います。

「過ぎたるは及ばざるが如し」と言う諺もあるように、
良かれと思ってやったことが
必ずしも世のため人のためにならないこともあります。
要は「程ほどに」、「適当に」と言う事になるのでしょうか?
無責任なように取る人もいますが、
所詮人間は神様ではないので、限界があります。
ともすると政治家と言われる歴史上の人物も
その辺を誤解していたと思わざるを得ません。

良い政治家とは庶民の支配者ではなく、
庶民を守るような人ではないでしょうか。
決して世の中を、
自分の好きなように動かすような人ではない気がします。
今日は少し回りくどかったでしょうか。

(一般社団法人 達人の館  代表 橘市郎) 

今月22日に梅田藝術劇場メインホールで幕を開ける
ミュージカル「HARU」を25日に見に行ってきます。
これは関西テレビ放送開局60周年記念として上演されるものですが、
この作曲・音楽監督を務めているのが親友の甲斐正人さんなのです。

甲斐さんは私よりずっとお若いのですが、
彼が上野の藝術大学に在学中からの付き合いなのです。
当時からその才能を買っていた私は、
彼がプロになってからも何かと仕事を依頼してきました。
細かいことは省きますが、彼は期待に違わず才能を発揮し、
一流の作曲家になり大活躍しています。

甲斐さんは誠実で「能ある鷹は爪を隠す」タイプなので
地味ながら、その実力は高く買われてきました。
脚本・作詞 高橋亜子、演出 栗山民也といった一流のスタッフと
藪宏太、北乃きい、安蘭けいらの出演者を得てその成果が期待されます。

甲斐さんは公演のお知らせとともに、
私たち夫婦に極上のチケットを送ってきてくださいました。
温かいメッセージを添えて招待してくれたのです。
私はいろいろの方に大切にされて幸せ者です。
甘えてばかりいていいのだろうかとも思いますが、
ご好意は素直に受けることにしました。
とにかくこの公演が大盛況で終わることと、
甲斐さんの曲がいつまでも
心に残るものであることを期待して行って来ます。

(一般社団法人 達人の館  代表 橘市郎)

全国高校野球の優勝校「東邦」が
平成の始まりと最後を優勝で飾った快挙を讃えようと思っていたら、
副大臣の辞任、地方選挙の結果、
競馬の桜花賞でのレコードなど書きたいことが目白押しで、
とてもまとまりそうにありません。

令和の訪れと共に世の中が変わっていくことを実感しています。
とにかく日1日と話題が移ってゆくさまが伺えるのです。
そうかと思うとゴーンさんが
無実を訴え検察と争っている様子が今でも報道され続けています。
安倍首相への忖度にいたっては1年以上も取りざたされています。

何が真実で、何が嘘なのか解らないことで
大勢の人が悩まされているのでしょう。
芥川龍之介の「羅生門」のように結局は闇の中ということでしょうか。
本当の事が解らないという苛立ちが人々を悩ませているのかもしれません。
ということで今回は何を言っているのか自分でも混乱しています。
どうか「正直者が損をする」ということが間違っていると
断言できる世の中になって欲しいものです。

(一般社団法人 達人の館   代表 橘市郎)

新しい元号が「令和」に決まりました。
予想もしていなかった元号ではありましたが
慣れるに従って違和感も消えることでしょう。
要は、実質平和で幸せな時代であることを祈るばかりです。

これで昭和、平成、令和時代を経験するわけですが、
平成を振り返ると天皇陛下と美智子様の生き方に
改めて賞讃とねぎらいの言葉をおかけしないわけには行きません。
国民とどういう形で接するかという問題は、
多分大変悩まれたことでしょう。
確かに即位直後は反感を示す行動に出る人たちもおりました。
しかし民間から美智子様をお迎えし、ひたすら国民に寄り添い、
象徴天皇としてどう振舞うかを考えていらしたお姿を見て、
誰からも愛され、慕われる存在になられたように思います。

不幸な戦争で命を落とされた方への追悼。
思いがけない災害に見舞われた方たちへの励まし。
我々がいつも心打たれたのは、
そういう方たちの目線にひざまつかれるお姿でした。

人は「衣食足りて礼節を知る」とはいえ、
なかなか出来ることではありません。
時代を引き継がれる新しい天皇陛下ご夫妻も、
この平成天皇の歩まれた道をぜひ引き継いでいただきたいと願っております。
私自身もこれから出来ることはたかが知れていますが、
若い人たちへバトンタッチすべきことを整理していくつもりです。

(一般社団法人 達人の館 代表 橘市郎)

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