今週はトランプ大統領の来日のほか、
大相撲の千秋楽、中央競馬のダービーなどいろいろと話題が豊富でしたが、
ここでは春秋座の京舞と狂言のコラボと
ヴェルディ・サロン・ライヴの感想を述べておきたいと思います。
5月25日(土)は造形芸大の企画運営室の川原美保さんからお電話をいただき、
春秋座公演にご招待されました。
大学を退任しても声をかけてくださりうれしかったです。
出演の井上安寿子さんも茂山忠三郎さんも、
私が着任した時、造形芸大の学生であったことが何よりも驚きでした。
時代が変わった実感がふつふつと沸いてきたのです。
しかもお二人は実に立派でした。
安寿子さんはお母様の八千代先生から譲り受けた
京舞の隙のない端正さを見せていたし、
忠三郎さんは歯切れの良い口跡が
お父様以上ともいえる見事なものでした。
さすがに「蛙の子は蛙の子」ですね。
ことに忠三郎さんは学生時代、ミュージカル研究会の合宿で、
ミュージカル「ファンタステイックス」の台本を使った
私の講習を受けてくれたことがあり、
その変貌振りにびっくりいたしました。
お二人の公演は3回シリーズだそうで、
この次も楽しみにしていたいと思います。
*
5月26日(日)はサロン・ライヴでオペラで
「椿姫」のハイライトが披露されました。
実は私自身、いつものライヴと思っておりましたので、
ソプラノ、テノール、バリトン3人の歌手とピ
アノの伴奏者が来てくれるものと思っていました。
ところが当日になると他にお二人の共演者が加わり、
ソファーの注文などもあるではありませんか。
ご存知の通り劇場と違い、楽屋も狭いし小道具の備えもないので、
最初は私もちょっと不機嫌でしたが、
オーナーがいろいろ工夫してくれたり、
出演者も悪条件に妥協してくれて何とか本番を迎えました。
ところが本番になると歌のレベルも演技の質も素晴らしく、
お客様も大変満足して下さいました。
「この料金でこれほどサービスしてもらっていいの?」とも云われました。
私も現金な物ですっかり楽しませてもらいました。
「ビジネスで無く、より良いものを!」
と言う出演者の情熱が見えた一夜でした。
皆さん素敵なライヴをありがとうございました。
でも連絡だけは、これからは密に取りましょうね。
(一般社団法人 達人の館 代表 橘市郎)