一瞬の静寂

音楽・演劇プロデューサー・橘市郎のブログ。日々思ったことを綴っています。 東宝(株)と契約し、1973年にプロデユーサーに。1981年独立後は、企画制作会社アンクルの代表をつとめ、中野サンプラザからの委嘱で「ロック・ミュージカルハムレット」「原宿物語」「イダマンテ」を、会社解散後は「ファンタステイックス」「ブルーストッキング レデイース」などのミュージカルを制作。 2001年京都芸術劇場の初代企画運営室長。

2020年04月

少年時代、私は野球少年でした。音楽には余り興味がなかったような気が致します。

それが中学生になった頃から先輩に少しづつ刺激を受けるようになり、高校生になった時、新島弘先生と出会い一気に音楽愛好家になって行ったのです。

しかし私には、少し歌は唄うものの自分が声楽家になる気持ちは全くありませんでした。自分にはそんな才能はなっかたし、家の事情がそんな環境でもありませんでした。

ただ新島先生が、ピアニストのホロビッツに傾倒し、いつも緑色の服を着てその素晴らしさを語る姿に、音楽の力を感じたのは確かです。自分は演奏家にはなれないけれど、音楽に関わる仕事に就きたいと決心させてくれたのが新島先生だったのです。

今、沢山のCDやレコードを楽しめるのも先生のお陰だし、プロデューサーとして仕事が出来るのも先生との出会いが大きかったと思っています。もちろん、いろいろな方との出会いに助けられてきたのは事実ですがきっかけという意味で、新島先生の存在を忘れるわけにはいきません。それにしても、いい先生とはこわい人でも偉ぶる人でもないようですね。

新島先生、今頃は天国でホロビッツと仲良くされていますか?

少し首を傾け上目使いで話される姿が忘れられません。

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自宅での待機が少しずつ効果を発揮してきているようです。

悪知恵を働かせて儲けようとしている良からぬ人もいますが、多くの人が思いやりを示し、励ましあっている姿を見ると、人はもともと優しいのだと心洗われます。

そこで、新型コロナウイルスも一方的に敵と思わず、何とか共生できないものかと思います。100パーセント敵と考えず、彼らも生きようと懸命なのだから、少しは生かしておいてやろうという考えかたです。これが免疫療法になるのでしょうか?

医学に関しては全く素人ですが、菌を全滅させようとするのではなく、耐性を作る方法は無いものだろうかと思うのです。トランプさんのように「自分たちだけが良ければいい」ではなく「相手のことも立ててあげる」という考えのもと共存共栄を考えることは、この地球上に生きとし生きるものの知恵と思うのですが。


(音楽・演劇プロデューサー    橘市郎)

現在放映中のドラマ「エール」は古関先生をモデルにしたものですが、先生の作品を紹介した「古関裕二 不滅のメロディ」という日劇での音楽会は忘れることが出来ません。

これは演出家の山本紫朗先生の企画で古賀政男、服部良一、古関裕二という3人の作曲家の曲をそれぞれフュ―チャーしたものでしたが、いずれの方とも親交の深い山本先生だからこそ実現した企画と言えます。

私は制作担当ということで関わりましたが大御所ばかりの出演者にてんてこ舞いしたのを覚えています。華やかな服部先生に対し、古関先生は地味なタイプでしたが、お二人とも謙虚で優しいのに驚きました。書ききれない程のヒット曲を作られたにもかかわらず、少しも威張らないお人柄が印象的でした。

「能ある鷹は爪を隠す」という格言を地で行くような先生を思い出します。先生の作品は年月を経るほど評価されていくことでしょう。今この時に先生の一生をドラマ化してくれたプロデューサーに敬意を評したいと思います。 

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不要不出の外出を控えるようにしていますが、世の中にはこんな時にも能天気にレジャーを楽しもうとする人がいるようです。

感染のリスクは誰にもありますが、少なくとも自らその可能性を広げない節制はエチケットのような気がします。

「自分さえ良ければ」というエゴを捨てるよう努力しましょう。世界のあちらこちからはげましのメッセージが送られて来ます。

「災い転じて福となる」という事になるといいですね。

(音楽・演劇プロデュユーサー  橘市郎)

1週間前のブログでは明日にでも緊急事態宣言が出される模様と書いていましたが、今は出来るだけ自宅にこもるように言われる状況になっています。

各自の事情で言いたい事、そうせねばならない事があると思いますが、ここは我慢のしどころのような気が致します。
ことに年金生活をしている私のような立場の者は、如何に迷惑をかけないようにするかを考えてしまいます。自宅に篭り普段出来ないことをやろうと全26巻の山岡荘八作の「徳川家康」を読んだり、今までかけなかった膨大なテスト版のLPレコードを聴いたりと、ある意味では贅沢な日々を過ごしています。

悩み苦しんでいる方々が大勢いにらっしゃるのに、申し訳ない気もしますが迷惑をかけないように心がけるのも協力と思っています。

苦境ではありますが出来るだけこの機会を前向きに捉え、平穏な日々がやってくるのを待ちましょう。

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毎日深刻な事態が報じられている中で、昨日競馬の桜花賞が無観客で行われました。このご時勢に競馬などと非難される方もいらっしゃいますが、私は良くぞ開催してくれたと感謝しています。

広々したコースを走るサラブレットには元気をもらえるし、無観客でも力一杯死闘を繰り広げるジョッキーからは感動を与えられます。私が以前から熱烈に応援していた藤田菜七子騎手も骨折を克服してカムバック、早速勝ち星を重ねました。

1日も早く観客を入れて熱戦が繰り広げられる日が戻ってくるのを楽しみにしたいと思います。「たかが競馬、されど競馬」この言葉はこんな時こそ説得力をもって響いてきます。

(音楽・演劇プロデューサー   橘市郎)

予想どおりコロナ・ウイルスの感染者は右肩上がりに上昇し「非常事態宣言」が出されそうな状況になりました。

政府の対応は首相の「いい格好をしたい」体質がそのまま露見した感じです。以前からいろいろと糾弾されてきた事がここに至って極まったというべきでしょうか。

一方、小池都知事の対応は立派でした。国民の安全に心を配り、自分の言葉で実情を訴えた行動は、どちらが首相に相応しいかを考えさせるほどでした。もちろん国家と地方との違いはありますが、北海道の鈴木知事といい、リーダーの資質とは何かを教えられたような気がします。

今の事態に対し、我々、一市民はどうするべきかを冷静に考えないといけないと思います。岡目八目のように評論家になっても何も好転しません。自分自身が感染のリスクを最小限に食い止めるように自粛することです。何度も書いているように、一斉に右に行ったり、左に行ったりせず冷静に行動をしたいものです。

地球が滅亡しない限り、必ず平穏がやって来ると信じておたおたしないようにしましょう。
こんな時にも桜の花が美しく咲き誇っている姿は勇気付けられますね。 

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久しぶりにBSのテレビ番組で岩崎宏美さんの歌声を聴きました。
相変わらず透き通った声で懐かしかったです。

岩崎さんは中野サンプラザ・ホールで上演されたロック・ミュージカル「ハムレット」にオッフェリア役で出演していただきました。この時のハムレット役は桑名正博さんでしたが、入水したオッフェリアを抱きかかえて歌うシーンが何故か忘れられません。

岩崎さんは先生の「歌のおばさん」松田トシさんから紹介された時から才能を発揮されていました。ミュージカルの他にもディナーショーをやっていただきましたが、いつでも安定した歌唱でファンを魅了してくれたのが昨日のようです。
基礎がきちんと出来ている岩崎さん、いつまでも歌い続けていてくださいね。

(音楽・演劇プロデューサー   橘市郎)


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