一瞬の静寂

音楽・演劇プロデューサー・橘市郎のブログ。日々思ったことを綴っています。 東宝(株)と契約し、1973年にプロデユーサーに。1981年独立後は、企画制作会社アンクルの代表をつとめ、中野サンプラザからの委嘱で「ロック・ミュージカルハムレット」「原宿物語」「イダマンテ」を、会社解散後は「ファンタステイックス」「ブルーストッキング レデイース」などのミュージカルを制作。 2001年京都芸術劇場の初代企画運営室長。

カテゴリ: レ・フレール

621日(火)に「レ・フレール スペシャルコンサート」の
先行発売が行われました。
これは京都芸術劇場友の会と、
以前から達人の館でチケットを買っていただいている
お客様を対象にしたものです。
私はこの先行発売でかなりのチケットが出るものと予測していました。
しかし、結果は意外にも予測の半分にも達しませんでした。
「達人の館主催公演に来られたお客様は
年配の方が多いので、そのせいかなあ?」
「今まではヴォーカルものだったので、
声が聴けないものには興味がないのかなあ?」
「宣伝不足なのかなあ?」などと理由を考えましたが、
すぐには思いつきませんでした。

気分転換のため、Youtubeでレ・フレールの演奏を聴きなおしました。
そこではたと気がつきました。
「これは実際に演奏を聴いたり、
見たりしなければ良さが判らない」
ということでした。
私自身が2年前まで、レ・フレールの演奏に
触れていなかったのですから、活字や言葉だけで、
チケットを買う気になれないのは無理もありません。
レ・フ レールの演奏を聴いたり、見たりしたことのない方は、
ぜひ、Youtubeを開いてください。
かなりの映像が公開されています。
これを見れば彼らの素晴らしさがお判りいただけると思います。
クラシック・ファンの方も、ジャズ・ファンの方も
まずは彼らの演奏に触れてみて欲しいものです。

「知らない」で終わることなく、まずは聴いてみる、
見てみることは何についても大切なような気がいたします。
これは食べ物でもそうですよね。
「食わず嫌い」と言う言葉がありますが、
食べてみたら余りにおいしいので、
はまってしまったということは良くあります。

26日(日)の大阪新歌舞伎座公演は完売だそうです。
昨年、聴いた人が友達や知り合を誘ったに違いありません。
聴き逃がしたと後悔されないようぜひご来場くださいますよう
お待ちし申し上げております。

(春秋座顧問プロデューサー・達人の館代表 橘市郎)

私がレ・フレールの存在を初めて知ったのは、2014月でした。
昭和音大で同僚だった角屋里子さんが
東京からわざわざ電話をしてくれて
「斉藤圭人ヴァ スコ・ヴァッシレフ」のコンサートが
大阪のフェニックスホールであるけれどいらっしゃいませんか?
と誘ってくれたのです。

このコンサートのプロデューサーである伊藤和則さんは、
昔オーチャードホールで角屋さんと
フロントの仕事を一緒にしていた後輩なので、
招待をしてくださるということでした。
厳密に言うと、その日はお兄さんの斉藤守也さんは出ていなかったので、
レ・フレールの演奏を聴いたわけではありません。
しかし、圭人さんが世界的なヴァイオリン奏者
ヴァスコ・ヴァッシレフに臆せず、
素晴らしいテクニックを披露してくれたので、
彼の経歴をプログラムを通じて確認したのです。
その結果、普段はお兄さんの守也さんと
レ・フレールという名前で活躍していることを知りました。
本当に不勉強ですね。
でも、そのお陰で絶対今度は
レ・フレールのコンサートを聴こうと思ったのです。

その機会は半年後に訪れました。
同じ年の1013日、京都劇場で
正真正銘の「レ・フレール コンサート」が行われると
伊藤さんから連絡をいただいたのです。
当日、私はワクワクしながら
開場の15時半に京都劇場に着くよう家を出ました。
ぴったり、その時間に着いたのですが、何と入り口には誰もいません。
おかしいなあと思い目を凝らすと
「台風のため公演中止」の貼り紙が目に入りました。
確かにこの日は台風接近の情報がありましたが、
京都をそれた感じで、交通機関も動いていたのです。
主催者としては早めに決断し中止を決めていたのですね。
代替公演は1124日ということでした。

約1ヵ月後、今度こそ私はレ・フレールの演奏を聴くことができました。
待ち焦がれていたせいもあるかも知れません。
その演奏は期待以上でした。
本の手が交錯しながら猛烈な速さで動くさまが映像で拡大され、
余計迫力を感じさせました。
10代から70代くらいまでの幅広いお客様が手拍子を取り演奏を盛り上げます。
弟さんの圭人さんが寡黙で芸術家肌なのに対し、
お兄さんの守也さんは饒舌でショーマン肌という対照が、
絶妙の味を出していました。
守也さんが汗びっしょりで客席に顔を向けて演奏するのに対し、
圭人さんが涼しげに見えるのもご愛嬌でした。
もちろん、演奏のレベルは高いのですが、
それ以上に音楽は楽しいものだと言うメッセージが強烈に伝わってきました。

レフレール
このエンターテインメント性を十二分に発揮した舞台が、
昨年6月28日の新歌舞伎座公演でした。
商業劇場でレ・フレールのコンサートというのは、
一見違和感を感じますが、歌舞伎も上演できる劇場の雰囲気を逆手にとって、
肩のこらない上質な娯楽性のある演奏を聴かせてくれのです。
ジャンルや場所を越えて
自分たちの持ち味を発揮するという心憎さは凄いなと思いました。
本物はどこへ行っても本物なんですね。

さて、このレ・フレールが9月10日(土)、春秋座に登場します。
開場15周年を記念して「スペシャル・コンサート」
やってくれることになりました。
達人の館主催ですが
京都造形芸術大学舞台芸術研究センターも共催してくれています。
22日から一般発売が開始されますので、
どうぞお早めにお申し込みください。

       
     

TEL 075-708-8930
FAX 075-708-8934

どちらでも申し込み出来ます。

まさしく、達人の演奏をぜひお楽しみください。


(春秋座 顧問プロデューサー・達人の館 代表 橘市郎)

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