一瞬の静寂

音楽・演劇プロデューサー・橘市郎のブログ。日々思ったことを綴っています。 東宝(株)と契約し、1973年にプロデユーサーに。1981年独立後は、企画制作会社アンクルの代表をつとめ、中野サンプラザからの委嘱で「ロック・ミュージカルハムレット」「原宿物語」「イダマンテ」を、会社解散後は「ファンタステイックス」「ブルーストッキング レデイース」などのミュージカルを制作。 2001年京都芸術劇場の初代企画運営室長。

カテゴリ: サロン・ライブ


ヴェルディ・サロン・ライヴでは、回連続で
フランスから帰国して間もないアーチストに出演してもらいました。
先月23日はサキソフォンの安泰旭さん、
今月日はソプラノの松井るみさんです。

安さんのサキソフォンはジャズのサックスとは一味違う
クラシックの楽器と言う感じで、
荒々しい音を感じさせず音色は繊細さを備えたものでした。
特にピアニシモの音はこれが金管楽器? 
と思うくらい柔らかいのに驚きました。
人柄もはにかみ屋さんといった感じでとても好感が持てました。
クラシックの演奏会でサキソフォンが入るような時には
ぜひ推薦したい演奏家でした。

松井るみさんはオペラ「魔笛」で童子の一人として出演してくれた人ですが、
稽古中からキラキラするオーラを発揮していました。
躍動感溢れる動き、輝く笑顔が印象的でした。
ライヴではこう言う明るさが求められるので、
是非、出演して欲しいと声をかけたのです。
正直なところ、ソロの曲を歌っていたわけではないので
歌唱力に関しては多少心配ではありました。
でもその危惧は、会場での発声練習を聴いて吹き飛びました。
余計なビブラートのない、力強い美声に驚かされたのです。
それは、小柄ながらソリストとしての素質を覗かせるものでした。

こういう人が、こちらのライヴから
大きく飛躍して行ってくれたら言うことはありません。
共演してくれたバリトンの高橋純さんも松井さんを上手に立てて、
楽しい雰囲気を作り出してくれていました。

今月のライヴは17日、
「レパートリ500曲以上。歩くジュークボックス」の
異名を持つ宮原春彦さんと
ピアノ・ヴォーカルの佐々木ゆかさんがコンビを組む
「プラプラーナ」の登場です。
ジャンルにこだわらず、隠れた達人を紹介する
ヴェルディ・サロン・ライヴにぜひご来場ください。


ヴェルディ・サロン・ライヴ 予約・お問い合わせ 
場所 ヴェルディ 
TEL 075‐746 - 4310(ヴェルディ)
(達人の舘 代表 橘市郎)


 

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月5日のヴェルディ・サロン・ライヴは久々に晴天となり、
奥田裕美さんのフルート、田中千佳子さんのメゾソプラノ、
磯貝亜美さんのピアノをお楽しみいただきました。
珍しいレパートリーと馴染みの楽曲を織り交ぜ、
クオリティの高い演奏でした。

次回の12日は春秋座オペラの「魔笛」でパミーナを演じてくれた
プリマドンナ西田真由子さんの登場です。
蜷川千佳さんのピアノ伴奏で
オペラ・アリア、日本歌曲、歌謡曲の他、
幅広い選曲で楽しませてくれます。

変わった趣向のコーナーもあり、
エンターティナーぶりを披露してくれる
西田真由子さんの魅力溢れるライヴにぜひお出かけください。
お待ちしています。

(達人の舘 代表 橘市郎)

以前ご紹介した「ヴェルディ サロン・ライヴ」が
いよいよ1113(日)に初日を迎えます。
これに先立ち(火)に冨家聖香さんが音響テストを兼ね、
伴奏者の藤田菜央さんと音合わせをしました。

カフェという会場で、どんな響きがするのか、
隅々まで生音が届くのかといささか心配もありましたが、
予想以上にいい響きがして、
どこで聴いてもきちんと音が届くので安心しました。
天井が高いために、以前は響き過ぎの感じがあったのですが、
椅子やテーブルが入ったことによって、音が落ち着きました。
また、通路側の壁面を半分で止めたのも、
響きの上で効果があったようです。
これならコンサートホールにも負けない、
いい生音が聴けると思います。

回目がヴァイオリンというのも音響効果を味わうのにぴったりです。
冨家さんの演奏は感性豊かで、
ヴァイオリンの音色が何ともいえない温かさを持っています。
かと思うとあの細いからだからなぜ?というくらい
迫力のある音が奏でられます。
テクニックだけけでしたら、ほかにも才能ある人はいるでしょうが、
これほど、心のこもった演奏をする若手のヴァイオリニストに
出会ったことはありません。
お客様がどんな反応を見せてくれるか楽しみです。

伴奏の藤田さんも冨家さんとの息がぴったりで、
時々適切なアドヴァイスを送っていました。
仲が良くお互いに相手を信頼している雰囲気が伝わってきました。
評判のおいしいコーヒーに素敵なヴァイオリンの演奏をぜひお楽しみください。

サロン・ライヴが来年以降も続けられるかどうかは、
今年行われる回の成果にかかっています。
どうぞよろしくお願いいたします。

コンサートの内容はこちら


ヴェルディ


(達人の館 代表 橘市郎)


   ♬ 予定演奏曲目 ♪

クライスラー:愛の悲しみ
サラサーテ:アンダルシアのロマンス
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン、ほか



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ヴァイオリン 冨家聖香
3歳よりヴァイオリンを始める。
京都市立京都堀川音楽高校を経て、京都市立芸術大学卒業。
第17回京都子どものためのヴァイオリンコンクール銀賞。
第14回大阪国際音楽コンクール入選。
第8回ベーテン音楽コンクール第5位。
第20回熊楠の里音楽コンクール第3位。
ミュージックセミナーin TOMAMにてジェラール・プーレ氏、
オレグ・クリサ氏のマスタークラスを受講。
堀音父母の会主催「第16回フレッシュコンサート」や
京都芸術祭音楽部門実行委員会主催
「新進演奏家によるデビューコンサート」など多数の演奏会に出演。
これまで村瀬理子、池川章子、泉原隆志の各氏に師事。

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ピアノ 藤田 菜央
兵庫県神戸市出身。5歳よりピアノを始める。
兵庫県立西宮高等学校音楽科を経て、
京都市立芸術大学音楽学部卒業。
第29回兵庫県高等学校独唱独奏コンクール銀賞。
日本クラシック音楽コンクール全国大会入選。
第12回宝塚ベガ学生ピアノコンクール大学生部門入選。
第15回ショパン国際ピアノコンクールin Asia大学生部門アジア大会奨励賞。
第7回神戸芸術センター 記念ピアノコンクール本選入選。
第16回ローゼンストック国際ピアノコンクール第5位。
兵庫県立美術館主催「美術館の調べ」、
日本芸術センター主催「第110回神戸芸術センター定期演奏会」において
ソロリサイタル出演。
これまでに細川恵美子、坂本恵子、坂井千春、
イリーナ・メジューエワ、田村響の各氏に師事。

10日、「レ・フレール スペシャルコンサート」が行われた日に、
Verdiというコーヒーショップが
京都造形芸術大学の1階にオープンしました。
Verdiは下鴨に本店がある知る人ぞ知るコーヒーの名店です。
大階段のすぐ南側にある展示スペース跡に出店したため、
10日は春秋座に見えた方でいっぱいだったようです。

こちらのオーナー続木義也さんは
進々堂の社長 続木創さんの弟さんです。
進々堂の社長さんには春秋座オペラで協賛していただき
大変お世話になりましたし、
下鴨本店には何回かお邪魔していたので、ご挨拶したところ、
「ここにはピアノもありますし、
天井も高いので何か催し物をしたいのですが、
アイディアをいただけませんか?」と言われました。
「ここの響きならマイクなしでも行けそうですね。
ちょっと考えてみます」と言って日後に
Verdi サロン・ライブのご提案」を出させていただきました。
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大学の中にある劇場として、春秋座があるように、
大学の中にあるコーヒーショップとして位置づけること。
音楽学科がない芸術大学として、
音楽家を目指す若いアーチストが演奏できる場所を提供すること。
ギャラではなく入場料収入をある比率で店と出演者で分け合うこと。
時にはジャズやポップスなどジャンルにこだわらずプログラムを組むこと。
タイミングや志によって若手ミュージシャンと同じ条件で出演してくれる
ビッグアーチストも歓迎すること。
などのコンセプトをお伝えしたのです。
すると日で「これでぜひお願いします」と
ご連絡をいただきました。

とんとん拍子に話が進み、
2016年度は1113日(日)、1126日(土)、1223日(祝)の3日間、
試験的に開催することになりました。
私の頭の中には堀川音楽高校から
ストレートで東京芸術大学の声楽科に入学し、大学院に進学した
井上大聞さんの存在が浮かんでいました。
彼は稀に見る美声で、高校の卒業演奏会、有志による若手演奏会
そして京都芸術祭のデビューコンサートと
圧倒的な存在感を示していました。
大学院でも数多くのオペラに起用され、
将来を嘱望されるバリトン歌手です。
こういう人が多くの人に認知されるためには、
コンサート活動だけではなく身近にお客様と接し、
その素晴らしさをアピールする必要があると私は思っていたのです。
彼は東京に住んでいますが、
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23日には京都に戻ってくるということを聞き、
声をかけたところ出演を快諾してくれました。

次に、これからの事もあり、彼と共にデビューコンサートで
才能を示していたヴァイオリンの冨家聖香さんを紹介してもらい、
出演を依頼したところ、彼女も喜んで参加してくれることになりました。
彼女は1113日に登場してくれます。
お二人ともお若いので、1126日は無理を言って
「江藤ゆう子 昭和を歌う」で御馴染みの江藤ゆう子さんに
友情出演していただくことにしました。
彼女には、今回はシャンソンやジャズ、
ポップスなどを中心に歌っていただきます。

あっという間に、今年度3回分のラインアップが決まったのも
続木オーナーの決断と出演を快諾してくれたアーチストの皆さんのお陰です。
おいしいコーヒーやケーキをいただいた後、
素晴らしいアーチストの演奏をぜひ楽しんでいただきたいと思います。

詳細については
Verdi 075-746-4310 にお問い合わせください。

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日後くらいにはチラシも出来ていると思います。
フライング気味の情報でした。

(達人の館 代表 橘市郎)


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