達人の館

   本物の芸をじっくりと味う、大人のためのコンサートを企画・主催しています。

カテゴリ: エッセイ

あと半月もすると春秋座オペラ「蝶々夫人」が開幕します。
このため10月のヴェルディ・サロン・ライヴは休演となります。
「蝶々夫人」の出演者は稽古に大阪が便利なのと
春秋座が初日間際まで使えないので、
いつも大阪、神戸での稽古が多くなります。

稽古場の押さえ、ホテルの予約など
NPO法人 ミラマーレ・オペラ」さんのご苦労は、
はかりしれないものがあります。
しかも、今年はイタリアからの出演者もいますので、大変です。
19日にはテノールのピサピアさんと
ソプラノの藤井泰子さんが来日しますので、いよいよ追い込みに入ります。
私も身体の方がついていけるかどうか心配ではありますが
ご迷惑をかけた分を取り返すべく頑張る積もりです。

お陰様で音楽稽古は順調なので
ハイレベルなものをご覧いただけるものと思います。
どうぞ楽しみにしていてください。
達人の館押さえの良い席が2日間で5席ばかり残っております。
まだお買い求めでない方は、ぜひお申し込みください。

*

来年から消費税が上がったり、年金が少なくなったりで
70歳を越えた者には厳しくなりそうです。
もちろん若い人たちも低所得者は大変です。
世の中の格差はどんどん進み、
貧しいものは生きていくこと自体が苦痛になってきそうです。
昔から「強きをくじき、弱きを助ける」とは任侠の精神でしたが、
政治も同じことだと思っています。
少数の勝ち組がただ勝ち誇っているのでは、いい政治とはいえません。
真面目に、こつこつと働いている者を大切にする事こそ
政治の使命ではないでしょうか。

元横綱の輪島さんの葬儀が行われ、大勢の方たちが参列されました。
私は個人的にお付き合いはありませんが、
盛大な葬儀と数々のエピソードに驚きました。
多くの人に愛され、好かれていたのですね。
天真爛漫というか天然呆けは多くの方が語っておられました。
人は尊敬されるのも素晴らしいことですが、
このように好感をもたれる事が、それ以上に大切なことだと思いました。
波乱万丈な生涯でしたが実に幸せな一生だったような気がいたします。
気取らず、自然体で生きたいと思わせてくれた輪島さんの生涯でした。
(一般社団法人 達人の館 代表 橘市郎)

オペラ「蝶々夫人」の詳細はこちらからどうぞ

930日夕刻には、またまた大型台風が上陸してきました。
前回の被害のことがあるので、全国的に警戒していたせいか、
最小限の被害で済んだ様に思います。
「備えあれば、憂いなし」とは良く言ったものです。
空振りを恐れず、万全の体制で臨むのは何事においても賢明だと思いました。
公演が中止になったり、稽古が不可能になった所もあったようですが、
大事故に至らず助かったと思いましょう。
それにしても、台風の心配は、もういい加減にして欲しいものですね。

台風一過の10日(月)、私はミュージカルスターの島田歌穂さんから「KNIGHTSTALE」(騎士物語)に招待されました。
大阪の梅田芸術劇場メインホールでの公演でしたが、
堂本光一さんと井上芳雄さんの共演で
帝劇での評判も聞いているので、喜んで出かけました。
何しろ演出が「レ・ミゼラブル」と同じ
ジョン・ケアードというのも魅力でした。
阪急電車踏切での人身事故のため少し遅れたので
1幕はモニター・テレビでの鑑賞をしましたが、
さすがにセットといい、音楽といい素晴らしい作品でした。
出演の皆さんも全員が良く訓練されていて、
早く生で見たいと思いながら途中から客席に入ることは遠慮しました。

幕から客席に着いたのですが、何と回りは女性客ばかり。
階席にはほとんど男性は見当たりません。
ミュージカルでこんな風景は初めてでした。
世の男性は、作品のためにも、出演者のためにも、
もっと劇場に足を運んで欲しいと切実に思いました。
多分、堂本さんのファンがほとんどかなとは思いましたが、
もう彼は単なるアイドルではなく、
立派なミュージカル俳優として一流に成長しています。
私を含めてタレントの変貌には
もっときちんとした評価をすべきだと思いました。

もちろん島田歌穂さんは芝居といい、歌といい、
これぞミュージカル・スターという出来でした。
井上芳雄さんはじめ皆さんが、
このミュージカルの質を高めていたと思い満足でした。

歌穂さんの楽屋を訪ねたあと、
楽屋エレベーター前である出演者の男性に声をかけられました。

神田恭兵さんでした。
彼は昭和音大のアート・マネージメント学科の卒業生で
私の教え子の一人でした。
うかつにも彼が出演していることに気付かなかったのです。
詫びると共にうれしかったですね。
この道に入る時、少しはお手伝いをしましたが、
こうして活躍している彼は、自分なりの努力をしてきたからだと思います。
歌穂さんのお陰で今日は充実した1日を過ごせました。
ありがとうございました。 

(一般社団法人  達人の館  代表 橘市郎)       

今日、久し振りに本屋さんに立ち寄りました。
昔はよく本屋さんで新刊本や小説を買ったものですが、
久しくそういうことのない生活が続いていました。
何故か良く分かりませんが、心にゆとりがなくなったせいでしょうか?
あまりにも色々な本が出ており、
買うにしてもどれを選ぶべきか判らない自分に、
あきらめのような気持ちが沸いてきたのでしょうか?

それとも、自分に好奇心が無くなってしまったのでしょうか?
これが年齢によるものなのかなあと思いながら、
結局は何も買わずに本屋さんを後にしたのでした。
ごめんなさい本屋さん。

*

9月23日のヴェルディ・サロン・ライヴは、
メゾソプラノの倉橋緑さんの初登場でした。
彼女はイタリアから帰国間もない方ですが、
良く響く美声でお客様を魅了してくれました。
喋る声はか細いのに、歌になると堂々とした声で将来性を思わせるものでした。
これからがとても楽しみな歌手の一人として注目したいと思います。

ピアノの竹村波留加さんは、はっきりした喋りで演奏も堅実。
しっかりと倉橋さんを支えてくれていたと思います。
このお二人にもまた、日をおいて再登場していただきたいものです。

*

この日は、春秋座で
「猿翁アーカイブにみる三代目市川猿之助の世界」第3回フォーラムが行われ、
何と久し振りに、市川猿翁が東京から来てくださいました。
サプライズということで、最後に突然登場した猿翁を見て、
お客様はびっくりされたと思います。
皆様ご存知の通り、病に倒れた猿翁が
もう春秋座に来てくれることはないだろうとあきらめていたはずですから。

「本日はもうお一人特別ゲストがいらっしゃいます」と云う
司会者の声と共に中割が上がると、
そこには車椅子に座った猿翁が居て、
歌舞伎役者特有の見得を切って観客の声援に応えたのです。
お客様は興奮してスタンディング・オべイション。
不自由な身体で一生懸命見得を切る猿翁に、
私は計り知れない役者魂を見ました。

何時までも続く拍手。私の眼からは自然に涙が溢れてきました。
緞帳が降りるや私は舞台の方に駆けつけ猿翁と握手をし、目を合わせました。
以前に較べ少しふっくらとされたようでした。
周りのスタッフも私と猿翁の関係を知っていて、
帰り際にツーショットの写真も撮ってくれました。
言葉は交わさずとも、舞台袖から車椅子のまま、
大型車両に乗って去って行く猿翁を見送りながら、
私は本当の「役者の中の役者」に出会えたと思い、頭を下げ続けていました。 

(一般社団法人 達人の館 代表 橘市郎)

 

 

9月15日、女優の樹木希林さんが亡くなりました。
全身に癌が転移にしてからも亡くなる数ヶ月前まで仕事をされていました。
最後は自宅に戻られ、生前に言ってらしたとおりにこの世を去られました。
私は夫の内田裕也さんとはウエスタン・カーニバルでご一緒しましたが、
希林さんとは一度もお会いしたことがありません。
でも最近の彼女の仕事や言動には、大変刺激を受けていました。
彼女のように人生を送るのが、
ひとつの理想かもしれないと思っていたからです。
ここ数年の彼女は本当にいい仕事をしていました。
自分が思うような生き方を貫き通した人だと思っています。

最近、人の死についてばかり書いているようですが、
これも私自身の年齢のせいかもしれません。
何事もゴールがあるとすれば、
最後は自分らしく迎えたいと思うのは自然なのでしょう。
樹木希林さん、思うように人生を全うされましたね。
本当にお疲れ様でした。


一方、女優の草笛光子さんは84歳になられて、
なお、ミュージカルの主演をされるそうです。
肌つやも若々しく、踊りのレッスンも怠りません。
実は草笛さんの本名は富田さんで、
彼女の弟さんの富田君とは東宝時代同期でした。
彼は今どうしているか、残念ながら分かりませんが、
そんなこともあり、仕事では草笛さんに何かとお世話になったものです。

このミュージカルの振り付けは名倉加代子さんで、彼女も私とは同い年です。
世の中には元気な方もおられ、
それはそれで、本当に素晴らしいことだお思います。
草笛さんや名倉さんのよに、何時までも自分を鍛える努力をされ、
若さを保つのも並大抵なことではないでしょう。
このミュージカルが人を勇気付け、
大成功に終わることを祈っていたいと思います。

(一般社団法人 達人の館 代表  橘市郎)

先週は訃報をお知らせいたしましたので、
今週は明るいブログで行こうと思っておりました。
5日の日は期待している指揮者の坂口航大さんが、
師匠である岡原慎也さんの「指揮シリーズ」コンサートに
出演するというので駆けつけたのですが、
前日が台風の襲来で会場の京都こども文化会館エンゼルハウス周辺は
大変な被害をこうむっていました。

演奏は素晴らしく、お客様もそこそこ入ってはいましたが、
会場の近辺は大変でした。
そして6日の夜中には北海道に最大震度6強の地震が発生、
山崩れが起こり大勢の人が亡くなったり、停電が起こりました。
今でも町は不便を強いられ、
避難生活を送らざるを得ない人々が沢山いらっしゃいます。
ここの所、日本はいじめられているのでしょうか?
世の中には駿河銀行の不正も報道されました。
体操のパワハラ問題も毎日のように報道されています。
間もなく自民党内で、総裁選挙が行われますが、
どうかより良い選択が行われてほしいと思います。


,,9日は春秋座で立川志の輔師匠の公演が行われました。
今年で春秋座公演10周年を迎えた記念公演は、
自分の足で、しかも50歳過ぎてから日本全国を回って精密な、
日本地図を実現した「伊能忠敬」を描いた「大河への道」でした。

3年かけて作った大作の再演でしたが、完成度が増し、
落語を超えた感動的な作品に仕上がっていました。
最後に披露した空中カメラマンの偉業をたたえる話は、
この落語が出来上がった経緯が良く分かり、
お客様も納得されていたようです。

志の輔師匠の落語を聞いていると、
何時しか壮大なドラマの世界に、誘われている気がしてきます。
たった一人で、ドラマの中に引き込んでいく、
日本独特の落語って本当に凄いと思いました。

志の輔師匠のお陰で、京都造形芸術大学の学生たちも、
落語の素晴らしさを知り、
いろいろなグッズを考えてくれたのも、うれしい出来事でした。
志の輔師匠、本当にありがとうございました。
来年も、再来年も体力の続く限りお引き立ての程よろしくお願い致します。 

(一般社団法人 達人の館  代表 橘市郎) 

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