一瞬の静寂

音楽・演劇プロデューサー・橘市郎のブログ。日々思ったことを綴っています。 東宝(株)と契約し、1973年にプロデユーサーに。1981年独立後は、企画制作会社アンクルの代表をつとめ、中野サンプラザからの委嘱で「ロック・ミュージカルハムレット」「原宿物語」「イダマンテ」を、会社解散後は「ファンタステイックス」「ブルーストッキング レデイース」などのミュージカルを制作。 2001年京都芸術劇場の初代企画運営室長。

カテゴリ: コンサート

1019日、「蝶々夫人」でタイトル・ロールを2日目に演じる
藤井泰子さんとピンカートンを演じるピサピアさんが
イタリアから来日しました。
藤井さんは飛行機の到着が遅れ、
この日、お会いすることがかないませんでしたが、
翌日にはお二人揃って稽古に参加され、
お二人とも時差に負けず素晴らしい声を披露してくれました。
私もいっぱいパワーをもらった感じです。

特にピサピアさんのイタリア人独特のベルカント唱法による高音は凄まじく、
耳の中がびりびりと共鳴しました。
伝説のテノール、カルーソが高音で
フォルテの声を出すとシャンデリアが揺れたというのが頷けました。

藤井さんも小柄の身体ながら「カルメン」の時以上に
パワーアップした声を聴かせてくれました。
初日の川越塔子さん井藤航太さんコンビとの競演が大変楽しみになりました。
公演の特設サイトはこちらからどうぞ


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1021日(日)は東京の昭和音楽大学
アートマネージメント学科創設20周年記念の会があり、
私も参加の予定でしたが上記のお二人の来日と重なり、
急遽欠席せざるをえませんでした。
お誘いいただきました武濤京子先生はじめ、
皆さんには大変申し訳ないことをしてしまいました。
約120名の参加があり、大変盛り上がったと聞いております。
歴代の先生方、お子様連れの卒業生などが集まったそうで、
その盛会ぶりが伝わってきました。

京都造形芸術大学の卒業生で、
劇場のフロント・スタッフをやっていただいた卒業生ともども、
私には懐かしく、頼もしい卒業生が沢山いる事が幸せです。
どうか皆さん、充実した人生を謳歌していただきたいと思います。
私の宝物は両校の皆さんからいただいた、温かい寄せ書きの色紙なのですから。

(一般社団法人 達人の館 代表 橘市郎)

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先週は桜が早くも満開になり、
世の中がピンク色に染まったような1週間でした。
特に京都は周りの風景と桜が絵になる所が多く、
東京にいた頃よりも情緒を感じます。

自宅の側に流れる小畑川に沿って、
桜並木が浮かび上がる様はなかなか見事です。
そういえば引っ越してくる前、
毎年楽しみにしていた高野川沿いの桜も忘れられません。
噂で素晴らしいと聞いていた
淀川河川公園 背割堤の桜は毎年気になりながら行けていなかったので、
今年は何が何でもと思っていたところ、
3月28日がオフになったので初めて見物に行って来ました。

京阪電鉄の八幡駅から5~6分歩くと
木津川と宇治川に挟まれた背割堤に到着。
そこから1.4kmに亘る桜のトンネルは実に見事でした。
こちらの写真はあちこちで目にされていると思いますが、
樹齢110年以上のソメイヨシノが咲き誇る壮観さは想像以上で、
川の水をたっぷり吸い込んだせいか、
どの木も街中で見る桜よりも大きく見えました。

桜以外の樹木も太く、また高かったように思います。
それにしても人工的に川の流れを変え、
このような景観を創り出した明治時代の人は凄いですね。
圧倒された1日でした。

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さて、4月は春秋座で「都をどり」が開催されるため
ヴェルディ・サロン・ライヴはお休みになります。
純粋な喫茶店としてご利用になるお客様が多いため、
それに応えようとするお店の方針です。
昨年もそうでしたがこのヶ月を前向きに捉え、
厳選された出演者を速めに確保いたしました。

5月13日は フルートの奥田裕美さん、
      ファゴットの奥山紀子さん、
      ピアノの磯貝亜美さんのジョイント。
5月20日は ソプラノの栂千晶さんと
      ソプラノ大門真知子さんのジョイントで
      ピアノは高木理枝子さん。
6月3日は ソプラノの講殿由紀奈さんと
      ピアノの坂口航大さんのジョイント。
6月24日は テノールの井藤航太さんと
      メゾ・ソプラノの高木未来子さんのジョイントで
      ピアノは武田麻里江さん

と続きます。どうぞお楽しみに。
(一般社団法人 達人の館  代表 橘市郎)

オリンピックが終わり、文字通り「祭りの後」の寂しさを感じています。
でも、何時までも感傷に浸っているわけにはいきません。
3月16(金)には「上原まり 筑前琵琶で平家物語を語る」が控えています。
13時と17時の2回公演ですが、内容が違いますので、
お時間のある方はぜひ両公演をお楽しみください
内容につきましては前回のブログにチラシが載っていますので、
ご参照いただければと思います

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さて、今回は二つ朗報がございます。
ひとつはヴェルディ・サロン・ライヴですっかりお馴染みになった
テノールの井藤航太さんが、11月に行われる
春秋座オペラ「蝶々夫人」のオーディションで
見事、ピンカートン役に選ばれました。
この公演ではイタリアから素晴らしいテノールを
名招聘することになっていますので、
回公演を井藤さんと日替わりで競演することになります。
井藤さんの魅力に毎回酔いしれてくれているお客様、
ぜひ応援してあげてください。

井藤さんがこれをきっかけにして、一流のテノールとして
認められることを切に願っています。

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もうひとつは、一昨年イタリアから来日して
春秋座オペラのカルメンを演じてくれた
藤井泰子さんが3月5日(月)のテレビ東京で紹介されます。
番組名や時間など、はっきりしたことは分からないのですが、
藤井さんがイタリアで奮闘している姿を追いかけたドキュメンタリーのようです。

藤井さんはその後もイタリアで、レギュラー番組に出演したり、
ミュージカルの主役を演じたりしていらっしゃいますが、
今年の春秋座オペラ「蝶々夫人」の主役も川越塔子さんと
ダブル・キャストで演じてくれることになりました。
イタリア文化会館―大阪との協力も実現しそうですし、
今年の春秋座オペラは何かと話題満載の公演になりそうです。
どうぞお楽しみに!

(一般社団法人 達人の館  代表 橘市郎)

2月4日に行われたヴェルディのライヴは
チェロの櫃本瑠音さんと
ピアノの坂口航大さんのジョイント・ライヴでした。
初めてのチェロと会場との相性は思った以上にぴったりでした。
天井の高さと会場の広さが
美しい音色をかもし出していたように思います。

もちろん櫃本さんの腕も素晴らしく、
全身を使って演奏する気合の入った姿に引き付けられました。
坂口さんのピアノは、今までの伴奏者としての控えめな演奏と違って迫力満点。
一緒に演奏する曲もお互いが真剣勝負しているような
張り詰めたものがありました。

今回はプログラムが全て重厚なクラシックでしたが、
次回は軽いものも入れ込んでいただくといいかもしれませんね。



2月11日(日)には蹴上にある京都市国際交流会館
「ホキ徳田の部屋」というコンサートを開催します。
ホキ徳田さんはペギー葉山さんや
ナンシー梅木さんと同世代のジャズ歌手ですが、
文豪ヘンリーミラーの人目の妻としても知られています。

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アメリカでの生活が長いので
60
歳以下の方には馴染みがないかもしれません。
でも、私より先輩とはいえ、声も気持ちも若々しい素敵な方です。
ホキさんは現在、東京六本木芋洗坂にある
ご自身の店「北回帰線」でピアノ弾き語りをされていますが、
リラックスしてお客様を楽しませるエンターティナーぶりはさすがです。

進行・弾き語りの古賀久士さんとの世代を超えたトークも楽しみです。
懐かしいジャズのスタダード・ナンバーを聴きながら、
ゆったりとした時間をお過ごしください。


「ホキ徳田の部屋」

昼の部13:0012:30開場)
夜の部17:0016:30開場)  
京都市国際交流会館 イベントホール
一般 4500(全席指定)


お問い合わせ インターナショナル・カルチャー
TEL:03-3402-2171
(一般社団法人 達人の舘   代表 橘市郎)

1月14日に行われたレ・フレールと
京フィルのジョイント・コンサートは超満員の盛況でした。
1部の合同演奏では、指揮者の井村誠貴さんが
レ・フレールの感性を理解してくれて、
若い京フィルのメンバーを上手くリードしてくれたと思います。
想像していた以上に双方がいい刺激を受け、成果を挙げてくれました。

2部はレ・フレール単独のステージで、
のびのびとエネルギシュな演奏を聴かせてくれました。
お二人のオリジナルを中心にしたプログラムは、
途中に静かでメロデイックな曲がはさまれ、
後半のブギウギの迫力がいつも以上に激しく感じられました。

鳴り止まない拍手にアンコールが続き、
予定の終演時刻が大幅に遅れたため、
帰りの新幹線を乗車変更せざるを得ませんでした。
盛り上げてくださったお客様、本当にありがとうございました。



1月17日は阪神・淡路大震災の日でしたが、
実はわれわれ夫婦の結婚記念日でもあります。
震災後は静かな結婚記念日にしておりますが、
実はこの日はもうひとつ因縁がございます。
私たちは昭和40年1月17日に結婚式を上げ、
新婚旅行は熱海から伊豆~沼津と回りました。
熱海に着き夕食後、熱海の海岸を散歩しておりますと
有名なお宮の松がありました。
側に、尾崎紅葉の小説「金色夜叉」の
貫一とお宮にちなんだ記念碑があるので読んだところ、
新婚の二人は唖然としました。

こともあろうに、貫一とお宮は、まさにこの日、
1月17日に、ここで別れたと記されていたのです。
さすがにその偶然性にはびっくりしました。
不吉な予感がしたのも事実です。
でもお陰様で、その後52年間、まあ仲良くやっています。
カレンダーに関する不思議な偶然はまだ沢山ありますが、
今日はここまでにしておきます。

(一般社団法人 達人の舘  代表 橘市郎)

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